鈴木大拙館すずきだいせつかん

金沢市出身の仏教学者である鈴木大拙への理解を深め、思索の場とすることを目的に、大拙生誕地の近くに2011(平成23)年開館した。鈴木大拙は、世界的に知られる金沢が生んだ仏教哲学者。来館者自らが思索する場となることを目的に建築設計され、館内は「展示空間」「学習空間」「思索空間」の3つの空間を回廊で結ぶとともに、「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」の3つの庭によって構成されている。これらを回遊することによって、来館者それぞれが鈴木大拙について知り、学び、そして考えることが意図されている。また、借景となる本多の森公園との調和や大拙の精神とされる「静か」「自由」の具現化を図ったとされる。
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みどころ

鈴木大拙の考えや足跡をひろく国内外の人々に伝える展示、体験施設で、敷地の特長である小立野台地から続く斜面緑地を背景に、石垣や水景などによって金沢を象徴する景観を創造し、その中で大拙の世界を展開していくことを設計の基本方針としている。設計は国際的な建築家・谷口吉生氏。特色ある建築を目当てに訪れる来館者も少なくない。また、「水鏡の庭」の中にある「思索空間」の畳いすにゆっくり座っていると、静寂の中で心静かに物思いにふけることができる。
 近年、本多の森公園の斜面緑地に沿って金沢市中村記念美術館まで「緑の小径」や「本多公園」が整備された。静寂な雰囲気を生み出すクスノキの古木はじめ四季の景色に彩られる散策路もみどころ。辰巳用水が流れる斜面横の階段を上がれば石川県美術館や国立工芸館があり、用水沿いに下れば金沢21世紀美術館に抜けられ、まちなかの回遊性に配慮している。
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補足情報

*建築設計者は、金沢市にゆかりの深い日本芸術院会員の谷口吉生(父親の建築家谷口吉郎は金沢の出身)。 
*日本建設業連合会主催の第56回BCS賞を受賞。     
*金沢市の外国人調査では、金沢城公園、兼六園に次ぐ3位の人気を誇る。(トリップアドバイザーの2019年「日本の博物館ランキング」、北國新聞2019年10月22日付に掲載)
関連リンク 鈴木大拙館(公益財団法人金沢文化創造財団)(WEBサイト)
参考文献 鈴木大拙館(公益財団法人金沢文化創造財団)(WEBサイト)

2023年08月現在

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