金沢の武家屋敷
香林坊から歩いてすぐにあるのが長町武家屋敷群。黄土色の土塀や石畳の小路が続き、加賀藩士や中級武士の屋敷跡が立ち並び、往時の面影を今に伝えている。金沢市の伝統環境保護区域および景観地区にも指定されているエリアだ。かつての城下町の面影を次第に失いつつあるが、まだ各所に残る頑丈な武者窓をもつ長屋門や土塀に往時を偲ぶことができる。比較的武家屋敷の雰囲気が残るのは香林坊の西の長町1丁目あたりで、武家屋敷群のなかでは、1軒だけ内部を公開する野村家*があり、手入れの行き届いた庭の評価が高い。長町の高岡町側にある金沢市足軽資料館は、藩政時代の足軽屋敷2棟を移築再現した施設で、足軽の職務や日常生活の解説・展示を行っている。

みどころ
長町二の橋あたりから北へ、犀川を水源とする大野庄用水に沿った道沿いは、土塀と長屋門が続く一帯。途中には、一般公開されている武家屋敷跡野村家もあり、「上段の間」に描かれた、加賀藩お抱え絵師による襖絵や野村家伝来の刀剣のほか、見事な庭園は必見だ。旧加賀藩士高田家跡では、復元された長屋門や厩、庭園が見られ、長町研修宿では、武家屋敷の建築構造を知ることができる。また、旧武家屋敷を活用して、食事処や九谷焼などの土産物店を営業しているケースもある。冬になると、冬の風物詩として、土塀を雪や凍結から守る「こも掛け」が行われる。

補足情報
*野村家:2009(平成21)年に発行された外国人観光客向けガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にて二つ星を獲得。また、米国庭園専門誌の2003年度日本庭園ランキングでも3位に選ばれ、評価が高い。
現在の建物は、加賀市橋立にあった北前船の傑商久保彦兵衛の豪邸の一部を移転したものである。
現在の建物は、加賀市橋立にあった北前船の傑商久保彦兵衛の豪邸の一部を移転したものである。
関連リンク | 金沢旅物語(金沢観光協会)(WEBサイト) |
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参考文献 | 金沢旅物語(金沢観光協会)(WEBサイト) |
2023年08月現在
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