妙立寺(忍者寺)みょうりゅうじ(にんじゃでら)

犀川大橋のやや南に、犀川に沿うように走る寺町通りに立ち並ぶ寺町寺院群の一つ。1643(寛永20)年に3代藩主利常(としつね)が前田家の祈願所として建立し、日像(にちぞう)*作と伝わる日蓮像を安置している。外観は2階建てに見えるが4階7層からなり、29の階段、23の部屋があり、隠し部屋や隠し戸が極めて巧みに設けられている。本堂屋上にある望楼は砦(見張り台)としての機能をもっていたとされる。落とし穴になる賽銭箱、床板をはずすと現われる隠し階段、掛け軸の裏に設けられた隠し扉、金沢城への抜け道だったとされる井戸など、数多くの仕掛けが施されていることから、通称「忍者寺」*と呼ばれる。ただし、忍者寺と称されるのは、同寺に忍者がいたからではなく、あくまで伽藍の複雑な建築構造に由来するものである。
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みどころ

本堂正面入り口に埋め込まれた賽銭箱は、落とし穴としての役割をもつという。隠し階段は、物置の扉を開いたところにある床板をはずすと、階下へ通じる階段が現れる仕掛けとなっている。落とし穴階段は、本堂にある階段と繋がる廊下に設けられたもので、床板をはずすと落とし穴が現れるというもの。明かりとり階段は、階段の蹴込み(段板と段板の間の垂直部分)が障子になっており、外からの明かりを取り込めると同時に、外敵の足の影を確認できるため槍などで攻撃することができる。望楼(物見台)は、本堂屋根の先端部分にあるギヤマン(現在はガラス)張りの見張り台。約2km 離れた金沢城はもちろん、当時はここから加賀平野を一望することもできた。
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補足情報

*日像:1269~1342年。日蓮の弟子日朗に師事。日蓮から京都布教を遺言され、上洛して妙顕寺を開いた。
*「忍者寺」:同寺院の登録商標(日本第1977891号他)である。 
*堂内の見学は予約制で案内人同伴による見学となる。また、未就学児は拝観不可で、案内は日本語のみとなっている。
関連リンク 妙立寺(WEBサイト)
参考文献 妙立寺(WEBサイト)
金沢旅物語(金沢市観光協会)(WEBサイト)

2023年08月現在

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