砺波平野のチューリップ畑となみへいやのちゅーりっぷばたけ

富山県はチューリップの球根出荷量日本一である。なかでも砺波市は最大の出荷量を誇り、県全体の4割強を占めるチューリップの里である。花の時期には、至る所で鮮やかなチューリップの絨毯を目にすることができる。
 砺波市のある砺波平野は、県下で初めてチューリップ栽培が始められた場所である。大正時代、東砺波郡庄下村(現在の砺波市)の水野豊造によりチューリップが植えられ、その切り花が高値で売れたこと、球根が大きく立派に育ったことから、本格的なチューリップ球根の栽培への取り組みが始まった。
 砺波平野は庄川と小矢部川によって造り出された扇状地で、背景に屏風のように連なる山々から流れ出る雪解け水と、扇状地から湧く地下水、水はけの良い土質によって豊かな米作が保証されてきた。また、チューリップの球根栽培も、この豊かな水と土壌を利用した産業である。チューリップは水はけのよい土地を好む一方で大量の水を必要とする水食いの植物である。砺波平野の扇状地は、この条件に合っている。畑でのチューリップ球根栽培は秋から初夏にかけて行われているが、これは雪が地面に接しているところは零度であるという利点を利用したもので、豪雪に埋まる冬の間、球根は寒さの害を受けずに春を待つ。砺波の散居村とチューリップ畑。いずれも豊かできれいな水が生みだした風景である。
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みどころ

チューリップが満開を迎える4月には、砺波平野を通る道路から、いたるところにあるチューリップ畑(一部は「チューリップファーム」として紹介されている。)を眺めることができる。
 毎年30万人が訪れる「となみチューリップフェア」は、今では 300品種、300万本のチューリップが咲き誇るGWの一大イベントとなっている。
 また、「チューリップ四季彩館」では、「促成栽培」「露地栽培」「抑制栽培」といった 3 種類の栽培方法によって、1年を通してチューリップの花を楽しむことができるほか、チューリップ栽培史をはじめ、チューリップを愛する人の歴史・文化をなど様々な展示もあり、楽しみながらチューリップへの理解を深めることができる。カフェでは、チューリップのエキスを使った、オリジナルのチューリップソフトクリームなども楽しめる。