高岡市金屋町の町並みたかおかしかなやまちのまちなみ

金屋町の町並みは、あいの風とやま鉄道の高岡駅から北西方向に20分ほど歩いたところにある。2012(平成24)年に重要伝統的建造物群保存地区にも指定された。保存地区は、東西約140m、南北約450m、面積約6.4万m2。高岡の開祖、加賀前田家2代当主前田利長が、城下の産業発展を図るために砺波郡西部金屋から7人の鋳物師を招いたことに始まる高岡鋳物発祥の地である。
 保存地区の中央を南北に金屋町石畳通りが縦断し、江戸期から昭和初期までに建てられた町家が密度高く残っている。敷地は短冊形で、道路に面して母屋を建て、母屋背面の中庭を挟んで土蔵が建ち、その背後に作業場が置かれていた。
 金屋緑地公園の後ろ、石畳通りにある高岡市鋳物資料館では、400年にわたる高岡鋳物産業の歴史を背景に、由緒ある古文書や初期の鋳造技術を知ることのできる鋳物製品、多種多様な造型・鋳造道具など、現存する数多くの貴重な資料を収集・展示し、高岡鋳物の歴史と伝統を紹介している。
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みどころ

金屋町は、千本格子の家並みと銅片の敷き込まれた石畳が静かで美しい風情を見せる。中央を南北に金屋町石畳通りが縦断し、江戸初期から昭和初期までに建てられた町家が密度高く立ち並び、連続性のある町並みに鋳物師町の風情が感じられる。
 真壁づくりの柱と漆喰壁のコントラストや正面の格子も繊細で美しい。家屋の軒先には、地元で作られた風鈴が掛かっており、この音を聞きながらの散策が清々しい。
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補足情報

*高岡銅器では、2016(平成28)年3月時点で42名の伝統工芸士が認定され、個々の創作活動に加え、後継者の育成や教育現場での普及活動に取り組んでいる。