黒部峡谷トロッコ電車
黒部峡谷鉄道株式会社が運営する黒部峡谷トロッコ電車は、黒部市の宇奈月駅から欅平駅までの黒部川沿いを走る黒部峡谷鉄道の列車。全長約20kmを片道約1時間20分で結んでいる。「トロッコ電車」はその愛称である。
黒部峡谷は水力発電による電源開発に適した地形であり、1919(大正8)年に東洋アルミナム株式会社が設立され、本格的な電源開発が始まった。1923(大正12)年には日本電力株式会社がこの事業を引き継ぎ、黒部川水系の発電所建設のための資材運搬用鉄道として、宇奈月~猫又間(11.8km)の軌道敷設工事に着手した。以後、1926(大正15)年に宇奈月~猫又間、1930(昭和5)年に猫又~小屋平間、1937(昭和12)年に小屋平~欅平間の運転が開始された。
鉄道の経営は1941(昭和16)年には日本発送電株式会社へ、戦後の電力再編に伴い1951(昭和26)年5月には関西電力株式会社に引き継がれた。この鉄道は、資材運搬のための専用鉄道だが、当初から地元の人達の利便をはかるため「無料便乗」で利用されていた。
1929(昭和4)年からは年々増加する観光利用に対応するため、料金徴収の上で一般客に開放することが認められ、1951(昭和26)年10月まで続いた。
その後、あらためて観光用列車としての利用ニーズが高まり、1953(昭和28)年に関西電力が「黒部鉄道」として営業運転を開始した。
さらに利用客の増加に伴い、電源開発の資材、人員輸送主体から旅客輸送へと移行していくことを踏まえ、1971(昭和46)年に関西電力の子会社として黒部峡谷鉄道株式会社が設立され、同年5月より営業運転を開始した。以降、トロッコ電車の愛称で親しまれ、今日に至っている。
例年営業は4月中旬から11月末の期間。客車には普通客車(オープン型)とリラックス客車(窓付)があり、後者に乗るには追加料金として600円がかかる。すべて定員制で、全員座って旅を楽しむことができる。なお、2025(令和7)年は宇奈月駅~猫又駅(途中駅)までの一部区間営業となる。
黒部峡谷は水力発電による電源開発に適した地形であり、1919(大正8)年に東洋アルミナム株式会社が設立され、本格的な電源開発が始まった。1923(大正12)年には日本電力株式会社がこの事業を引き継ぎ、黒部川水系の発電所建設のための資材運搬用鉄道として、宇奈月~猫又間(11.8km)の軌道敷設工事に着手した。以後、1926(大正15)年に宇奈月~猫又間、1930(昭和5)年に猫又~小屋平間、1937(昭和12)年に小屋平~欅平間の運転が開始された。
鉄道の経営は1941(昭和16)年には日本発送電株式会社へ、戦後の電力再編に伴い1951(昭和26)年5月には関西電力株式会社に引き継がれた。この鉄道は、資材運搬のための専用鉄道だが、当初から地元の人達の利便をはかるため「無料便乗」で利用されていた。
1929(昭和4)年からは年々増加する観光利用に対応するため、料金徴収の上で一般客に開放することが認められ、1951(昭和26)年10月まで続いた。
その後、あらためて観光用列車としての利用ニーズが高まり、1953(昭和28)年に関西電力が「黒部鉄道」として営業運転を開始した。
さらに利用客の増加に伴い、電源開発の資材、人員輸送主体から旅客輸送へと移行していくことを踏まえ、1971(昭和46)年に関西電力の子会社として黒部峡谷鉄道株式会社が設立され、同年5月より営業運転を開始した。以降、トロッコ電車の愛称で親しまれ、今日に至っている。
例年営業は4月中旬から11月末の期間。客車には普通客車(オープン型)とリラックス客車(窓付)があり、後者に乗るには追加料金として600円がかかる。すべて定員制で、全員座って旅を楽しむことができる。なお、2025(令和7)年は宇奈月駅~猫又駅(途中駅)までの一部区間営業となる。

みどころ
旅の気分や同行人数によって、トロッコ電車の客車が選べる。黒部峡谷ならではのトロッコ電車はオープン型の普通客車。窓がなく開放感、トロッコ電車の醍醐味が味わえる。4人掛けのベンチ状の椅子が9列用意されていてドアの代わりは鎖チェーンとなっており、この開け閉めも乗客が自ら行うため、冒険心も味わえる。窓がないため、周囲の景色の撮影にも向いている。逆に、肌寒い季節にゆったり旅をしたいならリラックス客車(窓付)がおすすめ。座席は横一列3人掛けで、進行方向に転換できる。窓の開閉は可能。時刻によっては、乗降口を拡大したバリアフリータイプの客車もある。
富山県出身の俳優の室井滋さんのナレーションによる車内放送があり、沿線のみどころなどを紹介している。ポスターなどで見かける黒部川にかかる赤い鉄橋をわたるトロッコ電車の様子は、宇奈月駅から徒歩3分ほどのやまびこ展望台から撮ることができる。
なお、2026(令和8)年以降に、欅平と黒部ダムを結ぶ新ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」が一般開放される予定であり、新たなルートが加わることになる。このルートには、岩盤温度が160℃を超えたといわれる「高熱隧道」もあり、当時の難工事の軌跡を体験することができる*。キャニオンルートを通るツアーではこうした歴史についても詳しく解説されるだろう。また、これによって黒部立山エリアの魅力はさらに高まるだろう。
富山県出身の俳優の室井滋さんのナレーションによる車内放送があり、沿線のみどころなどを紹介している。ポスターなどで見かける黒部川にかかる赤い鉄橋をわたるトロッコ電車の様子は、宇奈月駅から徒歩3分ほどのやまびこ展望台から撮ることができる。
なお、2026(令和8)年以降に、欅平と黒部ダムを結ぶ新ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」が一般開放される予定であり、新たなルートが加わることになる。このルートには、岩盤温度が160℃を超えたといわれる「高熱隧道」もあり、当時の難工事の軌跡を体験することができる*。キャニオンルートを通るツアーではこうした歴史についても詳しく解説されるだろう。また、これによって黒部立山エリアの魅力はさらに高まるだろう。

補足情報
*この時の様子は吉村昭『高熱隧道』新潮社に詳しく記載されている。また、宇奈月駅の向かいにある関西電力が運営する黒部川電気記念館では黒部川の電源開発や黒部峡谷の自然と水力発電が紹介されている。
関連リンク | 黒部峡谷鉄道株式会社(WEBサイト) |
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参考文献 |
黒部峡谷鉄道株式会社(WEBサイト) とやま観光ナビ(富山県地方創生局 観光振興室・公益社団法人 とやま観光推進機構)(WEBサイト) |
2025年03月現在
※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。