黒部峡谷
黒部峡谷は、北アルプスの中央部、雲の平の南方にある標高2,924mの鷲羽岳と2,721mの祖父岳付近を源として、富山湾に流れ込む黒部川が後立山連峰と立山連峰の間に刻み込んだ峻険な峡谷。黒部川の源流は雲の平の南側にあり、わずかな湧き水が雲の平を回り込む間に大量の水を加えて黒部川となっていく。黒部川は延長86kmと長さでは中級だが、滝のようだと評される日本有数の急流は、山頂と峡谷底の差が1,500~2,000mに及ぶ峻険なV字型の谷を造形する。
黒部ダムより上流部、薬師沢小屋あたりまでを上ノ廊下というのに対し、ダムの下流部は下ノ廊下と呼ばれている。両岸が切り立ち、ちょうど廊下に似たような地形なので廊下というようだ。
大正時代の半ばから昭和時代の初期にかけて、登山家であり山岳紀行文作家でもある冠松次郎*1が、剱岳の初登頂を遂げた陸軍参謀本部陸地測量部測量隊を案内した宇治長次郎*2と組んで下ノ廊下の完全遡行に挑戦し、十字峡などの特徴的な箇所を発見し、やがて黒部川随一の奇観として知られていった。
黒部ダムができてから水量が減ったために、下ノ廊下から水量の豊かな流れがあまり見られなくなったといわれるが、白竜峡、十字峡、S字峡などの渓谷美は素晴らしい。峡谷は水源地から扇状地に出る愛本までの間だが、一般に観光名称としては宇奈月温泉から上流を黒部峡谷と呼んでいる。
黒部ダムより上流部、薬師沢小屋あたりまでを上ノ廊下というのに対し、ダムの下流部は下ノ廊下と呼ばれている。両岸が切り立ち、ちょうど廊下に似たような地形なので廊下というようだ。
大正時代の半ばから昭和時代の初期にかけて、登山家であり山岳紀行文作家でもある冠松次郎*1が、剱岳の初登頂を遂げた陸軍参謀本部陸地測量部測量隊を案内した宇治長次郎*2と組んで下ノ廊下の完全遡行に挑戦し、十字峡などの特徴的な箇所を発見し、やがて黒部川随一の奇観として知られていった。
黒部ダムができてから水量が減ったために、下ノ廊下から水量の豊かな流れがあまり見られなくなったといわれるが、白竜峡、十字峡、S字峡などの渓谷美は素晴らしい。峡谷は水源地から扇状地に出る愛本までの間だが、一般に観光名称としては宇奈月温泉から上流を黒部峡谷と呼んでいる。

みどころ
原生的な上ノ廊下、流れの早い独特の断崖絶壁の渓谷景観である下ノ廊下のS字峡や十字峡は、健脚な登山家でないと訪れにくい。一般的な観光は、さらに下流域、トロッコ電車で知られる黒部峡谷鉄道の通るあたりが対象となる。
例年4月下旬から11月末日までが列車の運行期間であり、10月下旬から11月中旬の紅葉は見事であり、新緑に彩られる5~6月もすばらしい。真夏も涼味満点で、上着が欲しいくらいである。冬は雪のため軌道も止まり、峡谷も固く閉ざされる。宇奈月から欅平に向かうトロッコ電車の車窓から峡谷の景色を楽しむのだが、トロッコ電車に揺られた後に、しばらく歩いて散策すると、いっそうこの地の素晴らしさを体感できるだろう。
例年4月下旬から11月末日までが列車の運行期間であり、10月下旬から11月中旬の紅葉は見事であり、新緑に彩られる5~6月もすばらしい。真夏も涼味満点で、上着が欲しいくらいである。冬は雪のため軌道も止まり、峡谷も固く閉ざされる。宇奈月から欅平に向かうトロッコ電車の車窓から峡谷の景色を楽しむのだが、トロッコ電車に揺られた後に、しばらく歩いて散策すると、いっそうこの地の素晴らしさを体感できるだろう。

補足情報
*1 冠松次郎(かんむりまつじろう):1883(明治16)年、東京都文京区本郷に生まれ。19歳のころから山登りを始め、明治42年には日本で最初の登山家の団体である日本山岳会に入会した。28歳の時に白馬岳から祖母谷(ばばだん)を下り、初めて黒部渓谷に接した。本格的に黒部の渓谷探検を始めるのは、1918(大正7)年で、このときは立山から御山谷(おやまだん)を下り、激流の黒部川を渡れる数少ない場所のひとつの平(だいら)から御前谷(ごぜんだん)を探り、タンボ沢から立山に折り返して室堂(むろどう)に出ている。
*2宇治長次郎(うじちょうじろう):1871(明治4)年、富山県上新川郡大山村(現富山市)和田の出身。新田次郎の名作『剱岳<点の記>』には、剱岳の初登頂を遂げた陸軍参謀本部陸地測量部測量隊を案内した活躍ぶりが描かれている。温和誠実な人柄で登山家から愛されたという。
*2宇治長次郎(うじちょうじろう):1871(明治4)年、富山県上新川郡大山村(現富山市)和田の出身。新田次郎の名作『剱岳<点の記>』には、剱岳の初登頂を遂げた陸軍参謀本部陸地測量部測量隊を案内した活躍ぶりが描かれている。温和誠実な人柄で登山家から愛されたという。
関連リンク | 黒部峡谷鉄道株式会社(WEBサイト) |
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参考文献 |
黒部峡谷鉄道株式会社(WEBサイト) とやま観光ナビ(富山県地方創生局 観光振興室・公益社団法人 とやま観光推進機構)(WEBサイト) 黒部市役所(WEBサイト) |
2025年03月現在
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