平間寺(川崎大師)へいけんじ(かわさきだいし)

平間寺は、正式には「金剛山金乗院平間寺」と称する真言宗智山派の大本山である。大治年間(1125~1130年)、平間兼乗という武士が、夢のお告げにより海中から弘法大師の木像を引き揚げた。ささやかな草庵をむすび、供養を怠らなかった兼乗が、高野山の尊賢上人と力を合わせ、一寺を建立したのが始まりと伝えられている。
 川崎大師駅前から続く表参道や仲見世には、名物の久寿餅屋や飴屋、縁起物のだるま屋など様々な店が軒を連ね、飴切りの軽快なリズムの音が流れる。「大山門」の四方には、持国天像、増長天像、広目天像、多聞天像が奉安されており、「大本堂」では、毎日護摩祈祷が行われ、世界平和、国家安穏、信徒安全をはじめ、災厄消除、家内安全、身上安全などが祈願されている。この大本堂をはじめ境内の多くの建物は、第二次世界大戦の空襲により焼失し、戦後、再建されたものが多い。境内の左手にあり朱塗りでひときわ目を引く「八角五重塔」もその一つで、1984(昭和59)年の大開帳ならびに弘法大師1150年御遠忌を記念し落慶されたものである。この他境内には、「六字名号塔」や「道標(こうぼう大し江のみち)」など川崎市の文化財に指定されいるものも多い。
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みどころ

「川崎大師 平間寺」は、もろもろの災厄を消除する「厄除けのお大師さま」として親しまれ、関東近県はもとより全国から参拝者が訪れている。
 小気味のいい飴切りの音が流れ、多くの参拝客で賑わう仲見世を抜けると、俗世と聖域との境界を分ける「大山門」が現れる。線香の白い煙と香に包まれた「大香炉」の先には、圧倒的な存在感を放つ「大本堂」が建てられている。本堂では心静かに手を合わせ、「南無大師遍照金剛」と唱えて、お参りをしたい。(吉澤 清良)
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補足情報

*平間寺は、「初詣」の始まりに大きく関係している。京浜急行電鉄の前身である大師電気鉄道は、関東初、日本で三番目の電気鉄道で、平間寺への初詣者の足として設立された。
*関東三大本山は、弘法大師を宗祖、興教大師 覚鑁を開祖とする真言宗智山派の関東にある三大本山、「成田山 新勝寺(千葉県成田市)」「川崎大師 平間寺(神奈川県川崎市)」「高尾山 薬王院(東京都八王子市)」のこと。
関連リンク 川崎大師(WEBサイト)
参考文献 川崎大師(WEBサイト)
川崎市(WEBサイト)

2020年04月現在

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