東京藝術大学大学美術館
東京藝術大学の美術館である。JR上野駅、及び東京メトロ根津駅から徒歩10分、上野恩賜公園内の東京藝術大学・上野キャンパス内にある。
収蔵品は、1887(明治20)年に創立された東京美術学校が芸術教育や研究のために収集してきた古美術品に加えて、歴代教員の作品や学生らの制作品などが加わり、約3万点に及ぶ。そのうち、国宝・重要文化財*は23件となっている。これらの収蔵品は図書館内に納められていたが、1970(昭和45)年に芸術資料部門が独立して芸術資料館が発足し、芸術資料の研究・保存・公開のために活動が続けられた。1998(平成10)年、美術館としての活動を発展させる目的で、芸術資料館は「東京藝術大学大学美術館」に改組され、翌1999(平成11)年に本館(8,720m2)が建設され開館した。現在ではこの本館を中心に、陳列館、正木記念館*、そして取手キャンパスにある取手館と合わせて展示が行われている。
大学美術館という性格上、その理念*は一般の美術館とは異なっており、制作と教育研究の現場を活かした美術館、実験的な美術館としての機能を目指している。
展覧会は、新聞社などと共催する企画展に加え、学生や教員の作品展示、実験的なアート作品展示、文化財保存研究の発表等、芸術教育と研究に関するものが中心である。また藝大コレクション展や地元行政との連携による企画展等が別途、開催されている。入場料は教育・研究テーマでは無料、コレクション展示や企画展では有料となっている。また、常設展はなく、年間で8~10件の展覧会(研究発表含む)開催時のみの開館である。
収蔵品は、1887(明治20)年に創立された東京美術学校が芸術教育や研究のために収集してきた古美術品に加えて、歴代教員の作品や学生らの制作品などが加わり、約3万点に及ぶ。そのうち、国宝・重要文化財*は23件となっている。これらの収蔵品は図書館内に納められていたが、1970(昭和45)年に芸術資料部門が独立して芸術資料館が発足し、芸術資料の研究・保存・公開のために活動が続けられた。1998(平成10)年、美術館としての活動を発展させる目的で、芸術資料館は「東京藝術大学大学美術館」に改組され、翌1999(平成11)年に本館(8,720m2)が建設され開館した。現在ではこの本館を中心に、陳列館、正木記念館*、そして取手キャンパスにある取手館と合わせて展示が行われている。
大学美術館という性格上、その理念*は一般の美術館とは異なっており、制作と教育研究の現場を活かした美術館、実験的な美術館としての機能を目指している。
展覧会は、新聞社などと共催する企画展に加え、学生や教員の作品展示、実験的なアート作品展示、文化財保存研究の発表等、芸術教育と研究に関するものが中心である。また藝大コレクション展や地元行政との連携による企画展等が別途、開催されている。入場料は教育・研究テーマでは無料、コレクション展示や企画展では有料となっている。また、常設展はなく、年間で8~10件の展覧会(研究発表含む)開催時のみの開館である。

みどころ
芸術教育の現場と一体となった展覧会が多いことが特徴で、学生の卒業・修了作品展、博士審査展、教員の退任記念展、美術学部研究室の研究発表展などがある。例えば、博士審査展ではアーティストの卵らの尖った発想や気負いのある作品が、一緒に展示されている論文とともに楽しむことができる。通常の展覧会は洋画と日本画、絵画と彫刻などジャンル毎に分かれて展示されるが、ここでは絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、写真、最先端アート等々、すべてのジャンルの学生の作品が一堂に会しているところも面白い。また、企画展では収蔵する古美術品のコレクション展の他に、新聞社などが共催する特別展などが行われている。
これらの展覧会は美術館本館の他に、同じキャンパス内にある陳列館、正木記念館、及び、茨城県取手市の取手キャンパスにある取手館が使われることもある。陳列館は1929年(昭和4)年に造られ、外壁には赤いスクラッチタイル貼り付けられている。正木記念館は1935(昭和10)年に造られた近代和風様式の建物であり、2館は書院造の和室が設けられている。また、画材店があるのも芸術大学らしい。食事は学生食堂にて、お弁当を購入してとることができる。
常時公開では無いため事前にホームページ等で調べて行くことが望ましいが、無料で入れる展覧会も多いので上野公園にある他の美術館・博物館見学と一緒に、あるいは上野公園散策のついでに、ふらりと訪れてみるのも一興である。芸術大学特有のキャンパスの雰囲気を楽しむこともできる。
これらの展覧会は美術館本館の他に、同じキャンパス内にある陳列館、正木記念館、及び、茨城県取手市の取手キャンパスにある取手館が使われることもある。陳列館は1929年(昭和4)年に造られ、外壁には赤いスクラッチタイル貼り付けられている。正木記念館は1935(昭和10)年に造られた近代和風様式の建物であり、2館は書院造の和室が設けられている。また、画材店があるのも芸術大学らしい。食事は学生食堂にて、お弁当を購入してとることができる。
常時公開では無いため事前にホームページ等で調べて行くことが望ましいが、無料で入れる展覧会も多いので上野公園にある他の美術館・博物館見学と一緒に、あるいは上野公園散策のついでに、ふらりと訪れてみるのも一興である。芸術大学特有のキャンパスの雰囲気を楽しむこともできる。

補足情報
*主な収蔵品:
・国宝……「絵因果経」奈良時代の絵画資料として貴重なもの。
・重要文化財(古美術)……浄瑠璃寺吉祥天厨子絵、小野雪見御幸絵巻、羅漢図、弥勒来迎図、板絵著色天部像(醍醐寺)、尾形光琳「槇楓図屏風」、菩薩立像/奈良時代、天馬双鳳八稜鏡、瑞花双鳳八稜鏡、繍仏裂、金錯狩猟文銅筒/後漢時代
・重要文化財(近代美術)……狩野芳崖「悲母観音」、狩野芳崖「不動明王」、橋本雅邦「白雲紅樹」、高橋由一「鮭」、高橋由一「花魁」、浅井忠「収穫」、原田直次郎「靴屋の親爺」、上村松園「序の舞」
・卒業制作その他……横山大観「村童観猿翁」、下村観山「岡倉天心肖像画稿」、菱田春草「寡婦と孤児」、藤島武二「造花」、金山平三「自画像」、佐伯祐三「自画像」、小磯良平「彼の休息」
*正木記念館:明治末から美術振興に携わり、また1901(明治34)年から1932(昭和7)年まで東京藝術大学の校長を務めた正木直彦を記念して建てられたものである。
*基本理念:美術作品やそれに関わる資料を収集し、それらを研究することによって新しい価値を見出す。 さらに将来の評価にも備えて万全の設備によって保存し、研究の成果を展示や様々な普及活動によって公開する。加えて、 制作と教育研究の現場である芸術大学という特質を合わせて、 わが国に前例のない実験的な美術館として機能すること。(同美術館ホームページより。)
・国宝……「絵因果経」奈良時代の絵画資料として貴重なもの。
・重要文化財(古美術)……浄瑠璃寺吉祥天厨子絵、小野雪見御幸絵巻、羅漢図、弥勒来迎図、板絵著色天部像(醍醐寺)、尾形光琳「槇楓図屏風」、菩薩立像/奈良時代、天馬双鳳八稜鏡、瑞花双鳳八稜鏡、繍仏裂、金錯狩猟文銅筒/後漢時代
・重要文化財(近代美術)……狩野芳崖「悲母観音」、狩野芳崖「不動明王」、橋本雅邦「白雲紅樹」、高橋由一「鮭」、高橋由一「花魁」、浅井忠「収穫」、原田直次郎「靴屋の親爺」、上村松園「序の舞」
・卒業制作その他……横山大観「村童観猿翁」、下村観山「岡倉天心肖像画稿」、菱田春草「寡婦と孤児」、藤島武二「造花」、金山平三「自画像」、佐伯祐三「自画像」、小磯良平「彼の休息」
*正木記念館:明治末から美術振興に携わり、また1901(明治34)年から1932(昭和7)年まで東京藝術大学の校長を務めた正木直彦を記念して建てられたものである。
*基本理念:美術作品やそれに関わる資料を収集し、それらを研究することによって新しい価値を見出す。 さらに将来の評価にも備えて万全の設備によって保存し、研究の成果を展示や様々な普及活動によって公開する。加えて、 制作と教育研究の現場である芸術大学という特質を合わせて、 わが国に前例のない実験的な美術館として機能すること。(同美術館ホームページより。)
関連リンク | 東京藝術大学大学美術館(WEBサイト) |
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参考文献 |
東京藝術大学大学美術館(WEBサイト) 「全国博物館総覧」日本博物館協会編 ぎょうせい 「東京のミュージアム100」芸術新潮編集部編 新潮社 |
2025年06月現在
※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。