国立西洋美術館
JR上野駅公園口から徒歩1分に位置する、西洋美術全般を対象とする美術館である。フランス政府から日本政府に寄贈返還された松方コレクションを展示するために1959(昭和34)年に開館した。松方コレクション*とは松方幸次郎が第一次世界大戦中から欧州で蒐集した美術品のことであり、そのうちパリに残されたコレクションの一部は、第二次世界大戦末期にフランス政府に接収されていたのである。
寄贈返還されたコレクションは19世紀の印象派を中心とした絵画・素描等とロダンの作品を中心とした彫刻であった。さらに開館後も主にルネサンス以降、20世紀半ばまでの作品の蒐集が続けられており、現在では絵画、彫刻、素描、版画、写本、工芸など6,000点を超える作品を所蔵している。国内で展覧会が開催されることが少ない18世紀以前の西洋絵画を常設展で見ることができる数少ない美術館である。
本館・新館の合計延べ床面積は約1万m2。所蔵作品の常設展示を中心とする美術館として、国立近代美術館と並ぶ規模である。1959(昭和34)年開館の本館はフランスの建築家ル・コルビュジエ*の設計である。日本国内で唯一のル・コルビュジエ作品であるとともに、国外の16箇所のル・コルビュジエ作品とともに世界文化遺産に認定されている。また、1979(昭和54)年に増築された新館は前川國男建築設計事務所の設計監理である。
寄贈返還されたコレクションは19世紀の印象派を中心とした絵画・素描等とロダンの作品を中心とした彫刻であった。さらに開館後も主にルネサンス以降、20世紀半ばまでの作品の蒐集が続けられており、現在では絵画、彫刻、素描、版画、写本、工芸など6,000点を超える作品を所蔵している。国内で展覧会が開催されることが少ない18世紀以前の西洋絵画を常設展で見ることができる数少ない美術館である。
本館・新館の合計延べ床面積は約1万m2。所蔵作品の常設展示を中心とする美術館として、国立近代美術館と並ぶ規模である。1959(昭和34)年開館の本館はフランスの建築家ル・コルビュジエ*の設計である。日本国内で唯一のル・コルビュジエ作品であるとともに、国外の16箇所のル・コルビュジエ作品とともに世界文化遺産に認定されている。また、1979(昭和54)年に増築された新館は前川國男建築設計事務所の設計監理である。

みどころ
美術館の前庭から見るル・コルビュジエ設計による、柱で建物を持ち上げてできた空間と玉石が埋め込まれた外壁など、建造物の造形が最初の見どころである。前庭にはロダンの《地獄の門》《カレーの市民》《考える人(拡大作)》、ブールデルの《弓を引くヘラクレス》という著名な大作が展示されている。ロダンと同時代の弟子達の彫刻は本館にも多数が常設展示されており、この充実した彫刻コレクションがここの第一の魅力である。
絵画では、日本ではなかなか見ることができない14~15世紀の宗教画のほか、17~18世紀にそれまでの宗教画から離れて一般の風景画、市井の人々の群像や農民・農村の情景を描くようになった近代絵画の流れを追うことができる。また、多くの人を魅了する印象派・後期印象派の絵画も充実しており、モネ《睡蓮》《舟遊び》やルノワール《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》などの大作をはじめとする松方コレクションを堪能することができる。
本館と新館の展示室の大部分は常設展のスペースに充てられており、ここでは随時入れ替えられる膨大な収蔵作品*展示や、テーマに応じた展示が行われている。常設展で入場しても常に未見の絵画を発見できるのが魅力である。
また企画展は年に3回程度、企画展示室で開催され、そこでは欧米などの美術館からの借用作品が展示される。
絵画では、日本ではなかなか見ることができない14~15世紀の宗教画のほか、17~18世紀にそれまでの宗教画から離れて一般の風景画、市井の人々の群像や農民・農村の情景を描くようになった近代絵画の流れを追うことができる。また、多くの人を魅了する印象派・後期印象派の絵画も充実しており、モネ《睡蓮》《舟遊び》やルノワール《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》などの大作をはじめとする松方コレクションを堪能することができる。
本館と新館の展示室の大部分は常設展のスペースに充てられており、ここでは随時入れ替えられる膨大な収蔵作品*展示や、テーマに応じた展示が行われている。常設展で入場しても常に未見の絵画を発見できるのが魅力である。
また企画展は年に3回程度、企画展示室で開催され、そこでは欧米などの美術館からの借用作品が展示される。

補足情報
*松方幸次郎(1866-1950)と松方コレクション:日本の実業家、政治家、美術品収集家。大正時代から昭和初期に川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)の初代社長を務める傍ら、日本に西洋美術館を創設する構想を抱いて第一次大戦中から欧州で美術品を収集した。その総数は西洋美術品3,000点、浮世絵8,000点と言われている。このコレクションは昭和の大恐慌により川崎造船所が経営危機に陥り、日本に運ばれていた美術品は数度にわたる展覧会で売り立てられ散逸してしまった。フランス政府に接収されていた約370点のコレクションは、美術館で公開することを条件に日本政府に寄贈返還された。これが国立西洋美術館の基礎収蔵品となっている。また国内で保管されていた浮世絵8,000点は東京国立博物館に収蔵されている。
*ル・コルビュジエ(1887-1965):スイス生まれのフランス人。鉄筋コンクリートを用い、装飾を排した壁面、伝統からの自由、ピロティ・屋上庭園や水平の連続窓等を構成要素として、1950~1970年代に機能性と合理性を追求したモダニズム建築を主導した。また、高層ビルディングと広い緑地を組み合わせた都市構想は以降の都市計画に影響を与えている。
*主な収蔵作品抜粋:総数は2024(令和6)年3月末現在で6,521点(寄託作品含む)。著名な作家とその作品は以下の通り。
・14世紀~17世紀
ヤン・ブリューゲル(父)《アブラハムとイサクのいる森林風景》1599年、ルーベンス《豊穣》1630年頃
・19世紀、印象派以降
ドラクロワ《墓に運ばれるキリスト》1859年、コロー《ナポリの浜の想い出》1870-72年、ミレー《春(ダフニスとクロエ)》1865年、クールベ《もの思うジプシー女》1869年、ピサロ《立ち話》1881年頃、モネ《舟遊び》1887年、《睡蓮》1916年、ルノワール《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》1872年、ゴーガン《海辺に立つブルターニュの少女たち》1889年、及び、ルノワール・シスレー・セザンヌ・ドガ等の小品
*ル・コルビュジエ(1887-1965):スイス生まれのフランス人。鉄筋コンクリートを用い、装飾を排した壁面、伝統からの自由、ピロティ・屋上庭園や水平の連続窓等を構成要素として、1950~1970年代に機能性と合理性を追求したモダニズム建築を主導した。また、高層ビルディングと広い緑地を組み合わせた都市構想は以降の都市計画に影響を与えている。
*主な収蔵作品抜粋:総数は2024(令和6)年3月末現在で6,521点(寄託作品含む)。著名な作家とその作品は以下の通り。
・14世紀~17世紀
ヤン・ブリューゲル(父)《アブラハムとイサクのいる森林風景》1599年、ルーベンス《豊穣》1630年頃
・19世紀、印象派以降
ドラクロワ《墓に運ばれるキリスト》1859年、コロー《ナポリの浜の想い出》1870-72年、ミレー《春(ダフニスとクロエ)》1865年、クールベ《もの思うジプシー女》1869年、ピサロ《立ち話》1881年頃、モネ《舟遊び》1887年、《睡蓮》1916年、ルノワール《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》1872年、ゴーガン《海辺に立つブルターニュの少女たち》1889年、及び、ルノワール・シスレー・セザンヌ・ドガ等の小品
関連リンク | 国立西洋美術館(独立行政法人国立美術館)(WEBサイト) |
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参考文献 | 国立西洋美術館(独立行政法人国立美術館)(WEBサイト) |
2025年06月現在
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