山種美術館
山種美術館は山種証券(現SMBC日興證券)の創業者である山崎種二が1966(昭和41)年に開設した美術館である。当初は日本橋兜町にあったが2009(平成21)年にJR恵比寿駅から徒歩10分の「ワイマッツ広尾」ビル内に移転した。同ビルの2フロアを占めている。
日本画を専門とした美術館としては全国初であり、特に近代から現代までの日本画を多数収蔵している。山崎種二は横山大観(よこやまたいかん 1868-1958)や上村松園(うえむらしょうえん 1875-1949)、川合玉堂(かわいぎょくどう 1873-1957)らの明治末から昭和初期に活躍した日本画家と交流を深めながら作品を蒐集し、また、奥村土牛(おくむらとぎゅう 1889-1990)のように知名度は高くないが将来性があると信じた画家の支援も行った。そして「美術を通じて社会、特に文化のために貢献する」という理念のもとに山種美術館を開設した。
山種美術館はその後、旧安宅産業の安宅コレクションから速水御舟(はやみぎょしゅう 1894-1935)の作品を引き継ぎ、現在では速水御舟、川合玉堂、奥村土牛の作品を中心に、近代・現代の日本画を中心に約1,800点所蔵している。そのなかには、近世・江戸期の作品も含めて重要文化財に指定された作品が6点含まれている。
日本画を専門とした美術館としては全国初であり、特に近代から現代までの日本画を多数収蔵している。山崎種二は横山大観(よこやまたいかん 1868-1958)や上村松園(うえむらしょうえん 1875-1949)、川合玉堂(かわいぎょくどう 1873-1957)らの明治末から昭和初期に活躍した日本画家と交流を深めながら作品を蒐集し、また、奥村土牛(おくむらとぎゅう 1889-1990)のように知名度は高くないが将来性があると信じた画家の支援も行った。そして「美術を通じて社会、特に文化のために貢献する」という理念のもとに山種美術館を開設した。
山種美術館はその後、旧安宅産業の安宅コレクションから速水御舟(はやみぎょしゅう 1894-1935)の作品を引き継ぎ、現在では速水御舟、川合玉堂、奥村土牛の作品を中心に、近代・現代の日本画を中心に約1,800点所蔵している。そのなかには、近世・江戸期の作品も含めて重要文化財に指定された作品が6点含まれている。

みどころ
比較的小ぶりの美術館であるが、収蔵作品のテーマが明確であるため、ゆっくりと質の高い鑑賞の時間を過ごすことができる。見どころは明治・大正・昭和初期の代表的な日本画家の作品を見比べて鑑賞できることである。
主なコレクションは、速水御舟が120点(「炎舞」、「名樹散椿(めいじゅちりつばき)」の2点の重要文化財を含む)、川合玉堂が71点、奥村土牛が135点(「鳴門」、「醍醐」など戦後の院展出品の代表作を含む)である。特に40歳で早世したため作品数が少ない速水御舟の素描のコレクションなどは、ここでしか見られないものと言えよう。
また、近代日本画の先駆者で精緻な写生に基づく動物画で知られている竹内栖鳳(たけうちせいほう 1864-1942)の「班猫」、美人画で知られる女性日本画家、上村松園の「砧」、「牡丹雪」、線描が美しい小林古径(こばやしこけい 1883-1957)の「清姫・日高川」も必見である。さらに江戸後期の作品であるが、椿椿山(つばきちんざん 1801-1854)の「久能山真景図(重要文化財)」も見逃せない作品である。最後に、若手の日本画家を発掘・育成するために設けられた「山種美術館賞(1971-1997年まで隔年実施)」および「Seed山種美術館日本画アワード(2016~)」の受賞作品も見どころに挙げておきたい。
これらの作品は企画展によるローテーション展示が基本となっているため、自分が見たい作品がある場合は予め展示の有無を問い合わせてから訪問したい。また、これらの画家のゆかりの地に開設されている美術館*も幾つかあるので、補足情報に挙げておく。
主なコレクションは、速水御舟が120点(「炎舞」、「名樹散椿(めいじゅちりつばき)」の2点の重要文化財を含む)、川合玉堂が71点、奥村土牛が135点(「鳴門」、「醍醐」など戦後の院展出品の代表作を含む)である。特に40歳で早世したため作品数が少ない速水御舟の素描のコレクションなどは、ここでしか見られないものと言えよう。
また、近代日本画の先駆者で精緻な写生に基づく動物画で知られている竹内栖鳳(たけうちせいほう 1864-1942)の「班猫」、美人画で知られる女性日本画家、上村松園の「砧」、「牡丹雪」、線描が美しい小林古径(こばやしこけい 1883-1957)の「清姫・日高川」も必見である。さらに江戸後期の作品であるが、椿椿山(つばきちんざん 1801-1854)の「久能山真景図(重要文化財)」も見逃せない作品である。最後に、若手の日本画家を発掘・育成するために設けられた「山種美術館賞(1971-1997年まで隔年実施)」および「Seed山種美術館日本画アワード(2016~)」の受賞作品も見どころに挙げておきたい。
これらの作品は企画展によるローテーション展示が基本となっているため、自分が見たい作品がある場合は予め展示の有無を問い合わせてから訪問したい。また、これらの画家のゆかりの地に開設されている美術館*も幾つかあるので、補足情報に挙げておく。

補足情報
*所蔵品紹介:
近世絵画……岩佐又兵衛「官女観菊図」(重要文化財)、椿椿山「久能山真景図」(重要文化財)
近代日本画……竹内栖鳳「班猫」(重要文化財)、横山大観「作右衛門の家」・「心神」、下村観山「老松白藤」、
川合玉堂「早乙女」、上村松園 「砧」・「春芳」・「牡丹雪」、鏑木清方「伽羅」、小林古径「清姫・日高川」、村上華岳「裸婦図」(重要文化財)、速水御舟「炎舞」(重要文化財)・「名樹散椿」(重要文化財)
*ここに挙げた主な画家の作品を多く所蔵、展示している他の美術館:
以下のものが挙げられ、いずれもその画家に縁のある地域である。
「奥村土牛記念美術館」:長野県佐久穂町。1990年開館、土牛が佐久に在住していた時代に描いた作品を中心に展示している。
「小林古径記念美術館」:新潟県上越市。2020年開館。都内にあった小林古径邸(登録有形文化財)を移築したもの。古径を始めとした郷土出身の芸術家の作品を展示している。
「玉堂美術館」:東京都青梅市。1961年開館。晩年を御岳で過ごした川合玉堂の作品約300点を所蔵、展示している。
近世絵画……岩佐又兵衛「官女観菊図」(重要文化財)、椿椿山「久能山真景図」(重要文化財)
近代日本画……竹内栖鳳「班猫」(重要文化財)、横山大観「作右衛門の家」・「心神」、下村観山「老松白藤」、
川合玉堂「早乙女」、上村松園 「砧」・「春芳」・「牡丹雪」、鏑木清方「伽羅」、小林古径「清姫・日高川」、村上華岳「裸婦図」(重要文化財)、速水御舟「炎舞」(重要文化財)・「名樹散椿」(重要文化財)
*ここに挙げた主な画家の作品を多く所蔵、展示している他の美術館:
以下のものが挙げられ、いずれもその画家に縁のある地域である。
「奥村土牛記念美術館」:長野県佐久穂町。1990年開館、土牛が佐久に在住していた時代に描いた作品を中心に展示している。
「小林古径記念美術館」:新潟県上越市。2020年開館。都内にあった小林古径邸(登録有形文化財)を移築したもの。古径を始めとした郷土出身の芸術家の作品を展示している。
「玉堂美術館」:東京都青梅市。1961年開館。晩年を御岳で過ごした川合玉堂の作品約300点を所蔵、展示している。
関連リンク | 公益財団法人山種美術館(WEBサイト) |
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参考文献 |
公益財団法人山種美術館(WEBサイト) 美術手帖(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)(WEBサイト) 「東京のミュージアム100」芸術新潮編集部編 新潮社 「日経五つ星の美術館」 日本経済新聞社 「全国博物館総覧」日本博物館協会編 ぎょうせい |
2025年06月現在
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