三鷹の森ジブリ美術館みたかのもりじぶりびじゅつかん

正式名称は「三鷹市立アニメーション美術館」であり、JR三鷹駅から徒歩約15分、井の頭恩賜公園内に2001(平成13)年に開館した。
 三鷹市の文化施設構想とスタジオジブリ・宮﨑駿の美術館構想に基づく美術館である。2階建て(地下1階)、延床面積3,500m2の小規模美術館である。宮﨑駿のスケッチを元に設計された建物は、それ自体にジブリのアニメ作品の世界観が随所に取り込まれた特異なデザインであり、様々な場所で子どもたちへ向けた仕掛けを発見することができる。
 展示内容はアニメーションの歴史とその技術的発展過程やアニメーターの仕事内容、ショートフィルム映像などが常設展示されている。オリジナルの短編アニメの上映などの他に、ミュージアムショップ、屋上庭園、中庭、テラス、カフェなどがあり、これらは主にジブリの世界観がテーマとなっている。
 管理運営は(公財)徳間記念アニメーション文化財団が行っている。
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みどころ

入口から見える建物外観から始まり、館内の3層の吹き抜け空間は、それ自体がひとつの物語にように作られている。地下1階は19世紀の回転のぞき盤から始まり、幻灯機と組み合わせて残像効果で見せるストロボスコープ等、実物模型によってアニメの原理を理解することができる装置など、見世物小屋風の展示が並ぶ。
 企画展*は何か新しい発見をしてもらうことや、作ることへの興味を抱いてもらえることを願い、様々なテーマで立案されている。また、オリジナルアニメは毎月異なった作品が、15分程度の短編*として映像展示室「土星座」で上映される。
 さらに、屋上庭園のロボット兵、子供の遊び場のネコバス、中庭やカフェのトイレ、休憩ベンチ、螺旋階段に至るまで、初めて大人の手を離れて、能動的に楽しみを発見する子どもたちに向けた目線で作られている。
 また、ジブリ関連のミュージアムショップと、宮﨑駿監督とジブリ美術館がおすすめする図書・絵本・児童書をそろえた図書閲覧室がある。なお、混雑を避けるために入場はすべて日時指定の予約制*となっていることに留意されたい。
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補足情報

*企画展:過去(2001~)の企画展のテーマは「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタと空想科学の機械達」「ユーリー・ノルシュテイン」「ピクサー」「アルプスの少女ハイジ」「アードマン」「3びきのくま」「小さなルーヴル美術館」「崖の上のポニョ」「ジブリの森のえいが」「ねこバスから見た風景」「挿絵が僕らにくれたもの」「ジブリの森のレンズ」「クルミわり人形とネズミの王さま」「幽霊塔へようこそ」「猫バスにのって ジブリの森へ」「食べるを描く。」「映画を塗る仕事」「手描き、ひらめき、おもいつき」「アーヤと魔女」「未来少年コナン」「君たちはどう生きるか」
*短編:美術館用の短編アニメ作品。2025年現在10本のオリジナル短編映画がある。「くじらとり」「コロの大さんぽ」「めいとこねこバス」「水グモもんもん」「星をかった日」「やどさがし」「ちゅうずもう」「パン種とタマゴ姫」「たからさがし」「毛虫のボロ」
*予約制:ローソンチケットとして購入する方式である。