松岡美術館
港区白金台にある私立の美術館で、東京メトロ白金台駅から徒歩7分に位置する。松岡地所の創業者である松岡清次郎(1894~1989年)が蒐集した美術品を展示する美術館として1975(昭和50)年に新橋に開館し、2000(平成12)年に現在の白金台に移転した。
松岡清次郎は貿易商・不動産業を営むかたわら日本画や陶磁器等の蒐集を始め、1970年代から晩年に至るまで本格的にコレクションを充実させてきた。その1/3を占めているのが古代中国・朝鮮やベトナム、近世日本などの陶磁器である。次いでこのコレクションを特徴付けているのが彫刻作品で、インド・ガンダーラの古代東洋彫刻を中心にオリエントの考古美術、ギリシア・ローマ彫刻、さらにはブールデルやヘンリー・ムアなどの現代彫刻である。絵画では、室町時代の古美術から近代の院展、日展の出品作品までの日本画と、印象派以降のフランス近代絵画が中心である。
松岡の私邸跡地に建てられた美術館は延床面積2,732m2の小規模な施設で、およそ2,400点ある所蔵のコレクションのみで常設展示と企画展示を行っている。
松岡清次郎は貿易商・不動産業を営むかたわら日本画や陶磁器等の蒐集を始め、1970年代から晩年に至るまで本格的にコレクションを充実させてきた。その1/3を占めているのが古代中国・朝鮮やベトナム、近世日本などの陶磁器である。次いでこのコレクションを特徴付けているのが彫刻作品で、インド・ガンダーラの古代東洋彫刻を中心にオリエントの考古美術、ギリシア・ローマ彫刻、さらにはブールデルやヘンリー・ムアなどの現代彫刻である。絵画では、室町時代の古美術から近代の院展、日展の出品作品までの日本画と、印象派以降のフランス近代絵画が中心である。
松岡の私邸跡地に建てられた美術館は延床面積2,732m2の小規模な施設で、およそ2,400点ある所蔵のコレクションのみで常設展示と企画展示を行っている。

みどころ
明るい庭園に面した館内に入ると1階は彫刻作品のフロアとなっており、インド・ガンダーラの仏教彫刻やヒンドゥー教の神像などが並ぶ古代東洋彫刻が圧巻である。次に現代彫刻のブールデル「ペネロープ」やジャコメッティ「猫の給仕頭」、マンズー「衣を脱ぐ」の他、ヘンリー・ムアとエミリオ・グレコの作品がある。古代オリエント美術は、古代エジプトの木棺や古代ギリシア・ローマ、オリエントの小品が展示されている。彫刻作品は原則、常設展示であるが小品は適時入れ替えが行われている。
2階は企画展示室が3室あり、陶磁器と絵画が年3回の企画内容に応じて選定され、それぞれコレクションのなかから展示される。なかでも充実している「中国陶磁器」コレクションは古代~清時代まで500点を超え、特に、元・明朝時代の青花磁器*が見応えがある。また、日本の陶磁器(17-18世紀の肥前磁器など70点)、朝鮮陶磁器(高麗時代25点)、ベトナム陶磁器(15-16世紀)も中国との関連性で見逃せない。
西洋絵画は130点を所蔵しており、モネ、ルノワール、ピサロ、シニャックなどの印象派・新印象派と、シャガール、ピカソ、ローランサン、藤田、ユトリロらのエコール・ド・パリ、フォーヴィスムのヴラマンクなど*がある。日本の絵画は、室町時代の周文「竹林閑居図(ちくりんかんきょず)」(重要文化財)、江戸時代筆者「老松古木花鳥図屏風」、江戸中期の円山応挙「遊鯉水禽図屏風」を始めとして、近代では横山大観・上村松園、さらに20世紀後半までの院展・日展の出品、入賞作品がある。
一人の美術愛好家が生涯をかけて審美してきた作品を静かに観賞できる個性的な美術館である。なお、陶磁器と絵画は展示数が限られているので展覧会カレンダーで事前に内容を確認して行きたい。また、近くには庭園美術館もあるので併せて楽しむこともできよう。
2階は企画展示室が3室あり、陶磁器と絵画が年3回の企画内容に応じて選定され、それぞれコレクションのなかから展示される。なかでも充実している「中国陶磁器」コレクションは古代~清時代まで500点を超え、特に、元・明朝時代の青花磁器*が見応えがある。また、日本の陶磁器(17-18世紀の肥前磁器など70点)、朝鮮陶磁器(高麗時代25点)、ベトナム陶磁器(15-16世紀)も中国との関連性で見逃せない。
西洋絵画は130点を所蔵しており、モネ、ルノワール、ピサロ、シニャックなどの印象派・新印象派と、シャガール、ピカソ、ローランサン、藤田、ユトリロらのエコール・ド・パリ、フォーヴィスムのヴラマンクなど*がある。日本の絵画は、室町時代の周文「竹林閑居図(ちくりんかんきょず)」(重要文化財)、江戸時代筆者「老松古木花鳥図屏風」、江戸中期の円山応挙「遊鯉水禽図屏風」を始めとして、近代では横山大観・上村松園、さらに20世紀後半までの院展・日展の出品、入賞作品がある。
一人の美術愛好家が生涯をかけて審美してきた作品を静かに観賞できる個性的な美術館である。なお、陶磁器と絵画は展示数が限られているので展覧会カレンダーで事前に内容を確認して行きたい。また、近くには庭園美術館もあるので併せて楽しむこともできよう。

補足情報
*青花磁器:藍色のコバルト顔料で模様を絵付けした磁器。焼成することによって綺麗な青色に発色して白地に映える磁器となる。松岡美術館では「青花双鳳草虫図八角瓶(せいかそうほうそうちゅうずはっかくへい)」、「青花龍唐草文天球瓶(せいかりゅうからくさもんてんきゅうへい)」が代表作。
*主な近代フランス絵画:モネ 「ノルマンディの田舎道」、ルノワール 「リュシアン・ドーデの肖像」、ブーダン 「海、水先案内人」、ピサロ 「カルーゼル橋の午後」、シニャック 「オレンジを積んだ船、マルセイユ」、ルオー 「ブルターニュ教会の内部」、ヴラマンク 「スノンシュ森の落日」
*主な近代フランス絵画:モネ 「ノルマンディの田舎道」、ルノワール 「リュシアン・ドーデの肖像」、ブーダン 「海、水先案内人」、ピサロ 「カルーゼル橋の午後」、シニャック 「オレンジを積んだ船、マルセイユ」、ルオー 「ブルターニュ教会の内部」、ヴラマンク 「スノンシュ森の落日」
関連リンク | 松岡美術館(松岡地所株式会社)(WEBサイト) |
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参考文献 |
松岡美術館(松岡地所株式会社)(WEBサイト) 美術館ナビ(読売新聞社)(WEBサイト) 「全国博物館総覧」日本博物館協会編 ぎょうせい |
2025年06月現在
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