水元公園みずもとこうえん

葛飾区東水元にある南蔵院のすぐ北、小合溜(こあいだめ)の西岸に広がる都立公園で埼玉県の三郷市に隣接する。JR金町駅から京成バス(金62)で4つ目のバス停「水元公園」で下車すると公園の南側の入口に着く。
 水元小合溜は1729(享保14)年に、江戸川に注いでいた古利根川(ふるとねがわ)をせき止めて作られたため池。当時の江戸幕府8代将軍徳川吉宗が治水工事を行った旧跡である。現在の公園は1965(昭和40)年に開園した水郷公園で、入口には水元さくら大滝が流れ落ちている。園内には釣仙郷*(ちようせんきよう)をはじめ、せせらぎ広場、中央広場、水生植物園などがある。また、はなしょうぶ園には約100品種20万本のハナショウブが植えられており、6月の開花期はみごと。これらを縫って遊歩道が設けられている。現在、公園敷地の整備・拡張が進められており、2022(令和4)年7月現在966,814m2
 水元公園小合溜の対岸には埼玉県三郷市のみさと公園があり、水元公園からの池越えの景観が美しく、またみさと公園からも水元公園のメタセコイアの森が美しく、紅葉時の絶好の写真撮影スポットでもある。
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みどころ

水と緑と広場などからなる広大な敷地が最大な魅力。あまりにも広いため、自転車(レンタサイクル)や、公園の南側に沿って順に停車する循環バス(運行は3~11月の土・日・祝日)で回るのがお勧めである。
 園内では様々な花*が季節ごとに楽しめる。特に「はなしょうぶ園」のハナショウブは一面に咲きほこる様子が見事で、多くのカメラマンがシャッターを押している。中央広場やせせらぎ広場などでは、幼児たちが集団で遊ぶほほえましい姿も時々見ることができる。1,500本のメタセコイア*やラクウショウ*の紅葉も見事な姿を見せてくれる。また北側にはポプラ並木が1.2km続き、手入れの施された数々の樹木が美しい。
 公園の北東側の小合溜にはバードサンクチュアリがあり、園内には8か所の野鳥観察舎がある。また公園の北西側にある「水元かわせみの里」では、美しい色をしたカワセミの姿や、俊敏な動きで魚をとらえる姿が見られることもある。公園の南東側には葛飾区金魚展示場があり、江戸金魚のかわいらしい姿が見る人の目を楽しませてくれる。
 この他数多くの公園施設があり、様々な楽しみを提供してくれる公園である。
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補足情報

*釣仙郷(ちようせんきよう):公園入口付近の堀割一帯の釣場のことで、1953(昭和28)年に区と観光協会が一般募集して名づけたものである。公園内で公に釣りが楽しめるのはここぐらいのもの。いかにも水郷公園らしい。春秋のシーズンには釣競技会も催される。
*様々な花:4月上旬のサクラ並木(水元さくら堤)、6月のハナショウブ、アジサイ、6月~8、9月のコウホネやアサザ、8月のオニバス、9月の秋の七草散策コース(水元さくら堤)など。
*メタセコイア:スギ科メタセコイア属の落葉高木で、和名はアケボノスギ。植物化石として発見した大阪市立大学教授三木茂博士が、高木でセコイアにその姿が似ていることから、メタ(変種)セコイアと名づけた。中生代の終わりから第三紀にかけて世界中に繁茂。化石として日本を初め各地で知られていたが、1946(昭和21)年、中国四川省で現存していることが確認されて以来、世界各地で栽培されるようになった。
*ラクウショウ:樹高50mを超える大木に成長する北アメリカ原産の落葉針葉樹で珍しい植物。赤い鳥の羽のような針葉は一見の価値あり。
関連リンク 公益財団法人東京都公園協会(WEBサイト)
参考文献 公益財団法人東京都公園協会(WEBサイト)
水元公園魅力いろいろガイドブック(水元公園地域活性化協議会)
水元公園かわせみの里(葛飾区)(WEBサイト)
水元公園かわせみの里パンフレット
かつしか水元公園マップ

2025年06月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。