小笠原のアオウミガメ
小笠原は日本では最も多くのアオウミガメが繁殖するところである。アオウミガメは回遊性であり、小笠原で見られる時期は、繁殖時期の2月ごろから10月ごろまで、産卵時期の5月ごろから8月末ごろまで。それ以外の時期は本州沿岸の餌場に行くようである。2~5月ごろには海面で交尾する光景を見ることもある。産卵場所は特定ではなく、ほとんどの砂浜が産卵場所となっている。産卵のための上陸は日が暮れて以降の夜間で、体重100~200kgとかなりの巨体なので足跡も目立つ。穴掘りがうまくいくと、一度に100個程度の卵を産み落とす。雌個体は1シーズンに4~5回産卵を繰り返す。産卵から2ヶ月程度ののち、子ガメは夜間に孵化して、海に出ていく。

みどころ
小笠原でアオウミガメを見る方法は概ね4つある。1つ目は、小笠原海洋センターや小笠原水産センターの水槽で飼育展示しており、自由に見学ができる。特に小笠原海洋センターでは、ふ化した子ガメを放流まで飼育しているので、かわいい子ガメも見ることができる。またウミガメ教室など、各種プログラムもある。2つ目は、ふ化した子ガメの放流会への参加で、小笠海洋センターでは7~9月ごろに、施設内でふ化した子ガメを夜間に海岸で放流するプログラム(有料)を行っている。それに参加すると、放流前に手に持ったりすることもできる。3つ目は、レジャーボートで沖合に出て水面でぷかぷかと浮かんで休んでいる光景や、水中での観察。浜からシュノーケリングで見られることもある。4つ目は砂浜海岸での産卵行動の見学。5~8月末ごろが産卵期で、多くなるのは6月から7月ごろ。そのころになると集落に近い海岸で産卵を見られる場合がある。産卵行動中は非常にデリケートなので、近づいたり触ったりせずに遠くからそっと見守りたい。生命の神秘ともいえる感動的な場面である。集落に近い大村海岸では、夜間、産卵を見にくる人も多いので、小笠原海洋センタースタッフが巡視している。ここでは彼らの指示に従うようにする。他の海岸には監視員がいないが節度ある行動を心がけたい。

補足情報
*アオウミガメ:生息環境等は熱帯・亜熱帯の沿岸地域。体内の脂肪分が青い(緑色な)ことが名前の由来。雑食性だが、海草・海藻を食べる傾向が強いため、その色素が脂肪に反映されるといわれる。
関連リンク | 小笠原海洋センター(認定NPO法人エバーラスティング・ネイチャー)(WEBサイト) |
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参考文献 |
小笠原海洋センター(認定NPO法人エバーラスティング・ネイチャー)(WEBサイト) 小笠原水産センター(東京都小笠原支庁)(WEBサイト) 小笠原エコツーリズム協議会(WEBサイト) |
2025年06月現在
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