谷津干潟やつひがた

谷津干潟は、東京湾の最奥部に残された約40haの面積を持つ干潟である。かつては東京湾の最奥部に位置する広大な干潟の一部だったが、1971(昭和46)年に始まった周辺の干潟の埋め立てにより長方形の形状で取り残され、1974(昭和49)年頃から「谷津干潟」と呼ばれるようになった。市民を中心に谷津干潟の保護運動が起こり、1988(昭和63)年に国の鳥獣保護区に指定された。1993(平成5)年には、特別保護地区部分がラムサール条約登録湿地*となった。
 谷津干潟には水鳥をはじめ、ゴカイ・貝・カニ・プランクトンなどたくさんの生きものが生息している。特に、シベリアやアラスカなど北の国と東南アジアやオーストラリアなどの南の国を行き来するシギやチドリなどの水鳥にとって、谷津干潟は渡りの中継地となっており、重要役割を担っている。
 干潟の南側には谷津干潟自然観察センターがあり、巨大なガラス面越しに干潟の様子を観察することができるほか、遊んで学べる展示となっている。また、干潟を囲む形で遊歩道が整備されており、様々な角度から干潟を観察することができる。
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みどころ

戦後のわが国の高度成長に伴い、東京湾の埋め立てが次々に行われたなかで、谷津干潟は当時の姿を残す貴重な干潟である。谷津干潟自然観察センターをはじめ、干潟を囲むように遊歩道が整備されているため、様々な角度から観察することができる。
 干潟を守るために保存に尽力した市民の活動に想いをはせつつ、鳥類などの行動を楽しみたい。(牧野 博明)
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補足情報

*ラムサール条約:1971(昭和46)年にイランのラムサールで開催された国際会議で採択された「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。重要な湿地の「保全・再生」「賢明な利用」「交流・学習」を目的としている。
関連リンク 習志野市(WEBサイト)
参考文献 習志野市(WEBサイト)
谷津干潟自然観察センター(WEBサイト)
パンフレット「習志野市谷津干潟自然観察センター」

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。