武尊山ほたかやま

群馬県北部にそびえるコニーデ型火山*。みなかみ町と片品村、川場村の境界に位置し、標高2,158mの沖武尊が主峰である。
 山の名は日本武尊(やまとたけるのみこと)*の故事にちなんでついたといわれ、沖武尊山頂と前武尊に日本武尊の銅像が立っている。北アルプスの穂高岳と「ほたか」の発音がおなじため、上州武尊(じょうしゅうほたか)の別称もある。
 信仰の山でもあり、いかつい岩の間を通る難所を通過することで修行になり、参拝者に畏怖の念をいだかせるためにわざと難しい道をつけている。
 武尊山の山頂部には南側に向かって大きく開いたカルデラと、カルデラを囲むように前武尊、川場剣ヶ峰、家の串、中ノ岳、主峰の沖武尊、剣ヶ峰山と2,000mを超える峰が立ち並び、沼田側や反対側の谷川岳側から見ると大きな壁が続くように見える。
 武尊山を中心に一帯は自然休養林となっている。南山麓標高1,200mの高原には武尊高原川場キャンプ場、川場スキー場、川場牧場など、東山麓の標高1,450mの高原には武尊牧場スキー場や武尊牧場キャンプ場、東南麓にはオグナほたかスキー場もあり、登山にスキーやスノボードに利用されている。
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みどころ

独立峰であるだけに山頂からの眺めはすばらしく、谷川岳の一ノ倉沢をはじめとした上越国境の山々、尾瀬・日光連山を一望にし、さらに富士や北アルプスから南アルプスまで望むこともある。
 一方関東平野からは裾野を広げた赤城山や榛名山とは異なり、容易にその山体を発見することは難しい。しかし雪をかぶった時期には、高崎市方面から赤城山の裾野越しに白い峰々がはっきりと確認できる。また、間近で見るのであれば、沼田市や川場村の見通しのきくエリアがお勧め。武尊山のどっしりした姿を望むことができる。
 登山道は四方から巡らされており、それぞれ趣の異なった登山が楽しめる。(林 清)
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補足情報

*コニーデ型火山:噴火による堆積物が火口の周囲に積もっていくことで形成された円錐状の火山。富士山が典型的。
*日本武尊(やまとたけるのみこと):景行(けいこう)天皇の皇子で『古事記』と『日本書紀』に記されている英雄。諸国を制定したと伝えられ、上毛地域にも各種の伝説がのこる。
関連リンク 川場村観光協会(WEBサイト)
関連図書 深田久弥著『日本百名山』新潮社
参考文献 川場村観光協会(WEBサイト)
川場村観光協会(WEBサイト)
川場村観光ガイド(川場村)(WEBサイト)

2020年04月現在

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