長井市あやめ公園ながいしあやめこうえん

フラワー長井線あやめ公園駅より徒歩3分、約3.3haの公園。『あやめ』は「水と緑と花のまち」長井市のシンボルとなっている。1910(明治43)年、杉林の跡地に野生のあやめ*数十株を植え、茶会を開き人を招いたのが「あやめ公園」の誕生逸話として語り継がれており、2010(平成22)年で開園100周年を迎えた。
 園内には長井古種(花菖蒲)*といわれる稀少な品種を含む、約500種、100万本の 花菖蒲やあやめが植えられている。見頃となる6月中旬~7月上旬には長井市を挙げての「あやめまつり」が催される。
 あやめ公園の南、約2kmには樹齢750余年の古木群を含む、約3,000株の『白つつじ公園』*もある。
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みどころ

約500種、100万本の花菖蒲・あやめが鮮やかな彩りを魅せる。中でも『長井古種』と呼ばれる長井固有の種が守られていることも特徴で、ここでしか見られない稀少な品種も存在する。種別に観賞できるようになっているのも見どころである。(志賀 典人)
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補足情報

*あやめ・花菖蒲・カキツバタ・菖蒲の違い:菖蒲はサトイモ科で、花は小さく観賞の対象にはならない。あやめ、花菖蒲、かきつばたは同じ「アヤメ科」である。あやめは花弁の基部に編目模様があり、葉は細く、葉脈がない。カキツバタの花弁基部は黄白色で葉は広く、花菖蒲は花弁基部は黄色で葉の主脈が太い。なお、あやめは、古来、「菖蒲」と表記されたため、花菖蒲もあやめと混用される場合があった。
*長井古種:花菖蒲は日本固有種で、現在、品種は5,000種といわれている。伝統品種群の系統として、「江戸系」「伊勢系」「肥後系」「長井古種」の四つに大別できるが、それらのなかで、ノハナショウブの特徴を色濃く残すのが、「長井古種」である。「長井古種」は全部で34種あり、その中の13種が長井市指定天然記念物に指定されている。長井古種は長井市固有の品種で江戸系・伊勢系・肥後系の品種とは交配されていない。
*白つつじ公園:白一色のリュウキュウツツジ約3,000株が植栽されており、中でも樹齢750余年の「七兵衛つつじ」と呼ばれる古木群が見どころ。見頃は5月中旬~下旬で、園内いっぱいに咲き揃うと、まるで雪が積もったような純白の世界が広がる。