峩々温泉ががおんせん

青根温泉から西へ3km、標高850mの蔵王山麓の濁川の谷にある一軒宿で、登山者や湯治客が多かったが、近年は秘湯の湯でゆっくりと保養を求める人が増えている。山ザクラ、紅葉、雪景色と四季折々の自然を楽しめる。
 嘉永年間(1648~1653年)に自噴する温泉を発見。古くから胃腸病の名湯として知られる。1875(明治8)年に旅館業の認可を受け、昭和に入り注目されてきた蔵王山登山とともに本格的な湯治宿となった。現在は6代目、旧館を使用しなくなり新館の質の高い宿泊棟だけになっている。湯治客を大事にしつつ、一人客でも歓迎し、連泊を勧めている。貸切露天風呂、混浴露天風呂、伝統の入浴法「かけ湯」ができる大浴場など、すべての湯船が源泉かけ流しである。炭酸水素塩・硫酸塩泉、58度。
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みどころ

「かけ湯」で胃腸を活発にした後に飲泉をすると効果的。かけ湯とは大浴場の泉温46度の「あつ湯」で、湯船の脇に仰向けになり、タオルをかけた腹部に繰り返し湯をかける。かけ湯は日中に行うと効果的。手桶で腹に湯をかけているのどかな風景である。薪ストーブやハンモックなども用意された談話室では、湯治客同士が和やかに談笑している様子もみられる。