旧南部領のナニャドヤラきゅうなんぶりょうのなにゃどやら

ナニャドヤラは旧南部領の青森県八戸、野辺地、戸来、五戸、三戸、岩手県二戸郡、九戸郡、岩手郡など、県北の南部領一帯に伝わる盆踊りの唄である。また平時の野山や畑での作業の場でも唄われてきた。 
 この唄の歌詞は地域によって「ニャニャトヤラ」あるいは「ナギャトヤラ」とも発音される。旧大野村(現在の洋野町)では「ナニャドヤラ」または「ナニャトヤラ」と発音されることが多い。
 日ごろ労働に追われ娯楽の少なかった昔、盆踊りはこの上ない楽しみであった。盆踊り唄にあるとおり、夜明けまで踊りあかすこともあり、翌晩は近隣の地まで出かけて踊ったといわれている。
 昭和の中頃から懸賞方式がはじまり、神社に賞品を並べて踊りを競うようになると他地区からの参加も増えた。戦後に日本各地で盆踊りが奨励され、今日また復活している。
 昔は、旧七日盆から二十日盆まで夕食を済ませた午後九時ごろから夜明けの四時ごろまで、寺や神社の境内、大家の庭、本家の家の前、辻、路上などで踊ったといわれている。お盆以外では、神社の祭典、学校や町民の運動会、祝宴のフィナーレでも踊られている。
 服装は、男は半纏(はんてん)に頬かむり、女は浴衣で男女とも下駄履きか草履とするのが主流である。近年では洋服や懸賞踊りに合わせた仮装による参加もみられる。
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みどころ

名称からしてミステリアスな「ナニャドヤラ」は、日本最古の民謡ともいわれるが、その歌詞の意味や由来などは諸説あり、なんとも不思議な盆踊りである。岩手、青森、秋田にまたがる旧南部領内の各地に伝わり、踊りに定型はなく、地域によって、あるいはひとつの地域に何種類も伝わっているそうで、ますますミステリアスである。
 8月に開催される「北奥羽ナニャドヤラ大会」に向けて、北奥羽圏域から参加する各地区の踊り手は、熱心に練習に励むという。大会当日、1,000人以上もの踊り手により繰り広げられる艶やかな踊り、岩手の奇祭を体感してみてほしい。