内間木洞の氷筍うちまぎどうのひょうじゅん

内間木洞は、市域内南端部、内間木川上流の山間にある鍾乳洞で、JR久慈駅、三陸鉄道久慈駅より車で約45分の場所にある。冬場は、洞内の天井から落ちる水滴が地面で凍りつき、筍(たけのこ)状に成長する氷筍(ひょうじゅん)が群生し、大きなものは2m以上にもなる。
 内間木洞の総延長は6,350m以上で国内有数の鍾乳洞である。洞内の大空間である「千畳敷」や巨大な陥没孔の「洞内ドリーネ」、鍾乳石の連なりが巨大な滝や山を連想させる「大瀑布」・「内間木富士」など、地底で長い年月をかけて作られた自然の驚異を見ることができる。
 キクガシラコウモリを始めとする7種のコウモリや昆虫類など、貴重な生き物たちも生息しており、洞窟とともにこれらの動物たちを含めて岩手県指定天然記念物となっている。
 普段は研究や教育目的以外での公開はされておらず、7月第2日曜日の「内間木洞まつり」と、2月第2日曜日の「内間木洞氷筍観察会」の年2回だけ一般公開されている。
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みどころ

内間木洞は年2回しか公開されていない幻の洞窟である。天井から滴る水が凍り付くことでできる「氷筍」も、見ることができるのは冬季に一度限り。
 ライトアップされた洞内で白く輝く氷筍は、まさに自然が造る芸術。何もない地面から無数の白い柱が生えている様は、まるで意志を持った生き物の大群のようにも思えてくる。
 「氷筍」を氷の芸術としてだけ楽しむのではなく、氷筍が出来る環境、洞窟がなぜできたのかなど考えるとまた違った面白さがわいてくる。