北上展勝地のサクラきたかみてんしょうちのさくら

JR東北新幹線北上駅より自動車で約10分、東北自動車道・北上江釣子ICより自動車で約15分の位置にある。北上川沿岸にある公園で、珊瑚橋から北上川左岸に約2km続く桜並木の名所として知られており、青森県の弘前、秋田県の角館と並ぶ桜の名所にも数えられている。
 1920(大正9)年に、後(のち)の黒沢尻町長である沢藤幸治を発起人として設立された民間団体の「和賀展勝会」が桜の植栽事業を行い、翌年の1921(大正10)年に「和賀展勝地」として開園した。名前の由来は団体名を展勝会と名付けたことや近隣にある陣ヶ丘と呼ばれる小高い丘からの展望が素晴らしい景勝地であることによる。
 毎年、4月頃に開催される「北上展勝地さくらまつり」は、日本全国から訪れる大勢の花見客で賑わう。
 ここから北上川に沿って花巻温泉まで全長29kmのサイクリングロードがある。また、付近には運動施設や森林公園「北上市憩いの森」*、「みちのく民俗村」*などが整備されている。陣ヶ丘からは市内および焼石連峰の展望がよい。
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みどころ

青森県弘前、秋田県角館と並ぶ桜の名所に数えられるだけあって、桜の本数が多く、約2kmにわたる染井吉野の並木が観賞できる。馬車に揺られながら桜を眺めたり、夜にライトアップされた桜並木と川面に映し出された幻想的な光景を楽しんだり、そのスケールゆえに楽しみ方が多いのが魅力だ。桜はもちろん、ツツジ、秋の紅葉と四季を感じられる「展勝地・花巻温泉サイクリングコース」をぜひ自転車で楽しんでほしい。
※北上展勝地さくらまつりについては、内容が変更・中止になる可能性があります。
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補足情報

*「北上市憩いの森」:展勝地生活環境保全林に指定された約40万m2の森林を造成・改良した施設。保安林内には遊歩道が設置され、樹木の観察やハイキングに適した環境となっている。管理棟周辺には、バンガロー、キャンプ場、炊事場、木工体験館等の施設があり、キャンプやバーベキュー、木工体験等を楽しむことができる。
*みちのく民俗村:北上川流域とその周辺の茅葺民家を移築復元した野外博物館。山あい約7万m2の敷地に、南部曲家などの茅葺民家10棟のほか、大正建築の名残をもつ旧黒沢尻高等女学校の校舎など18棟、合計28棟が点在。園内には南部藩と伊達藩の境塚が残り、旧女学校の校舎には多数の民俗資料を展示している。