青函トンネル記念館せいかんとんねるきねんかん

青函トンネルは本州と北海道間の船舶輸送の代替手段として計画され、連絡船の海難事故*などにより建設が促進され、地質調査から貫通まで42年の時間をかけてとして1988(昭和63)年3月に開業している。青森県東津軽郡今別町浜名と北海道上磯郡知内町湯の里間53.85 kmを結ぶ鉄道トンネルであり、2016(平成28)年3月には北海道新幹線が開業して本州と北海道の往来が便利になった。
 この難工事を紹介し、実際の坑道を体験できる施設として津軽半島竜飛崎に青函トンネル記念館*がある。記念館ではトンネルの姿を立体模型や映像、パネルなどで紹介しており、海底下にある体験坑道にも実際の工事現場と工事の模様が展示されている。この青函トンネル記念館は竜飛埼灯台の手前約1kmの国道339号線、竜泊ラインに隣接した高台にある。
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みどころ

なんといっても工事にも使われていたケーブルカーで地下に降り、工事現場の迫力を体験できるのが最大の魅力である。実際の海面下140mの「体験坑道」へは 日本一短い私鉄「青函トンネル竜飛斜坑線* もぐら号」で斜度14度の斜坑を7~8分で到達できる。
 今も利用されている地下坑道の一角に、特設展示エリアを設け 実際に掘削に使われた機械や器機などを展示されており、 壮大なプロジェクトの現場を体験できる。体験ツアーの所要時間はケーブルカーを含め約40分、ガイド付きで複数の坑道を案内し当時の模様を解説している。
 地上の展示ホールにあるトンネルシアターで、工事の経過や実際の工事模様を学んでから地下坑道に向かうとより一層理解や興味が増す。
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補足情報

*海難事故:1954(昭和29)年9月26日、台風接近下において誤った気象判断によって出航し、暴風雨の中函館港外で遭難した洞爺丸他4隻の事故など、航路の安全が脅かされる事態が相次いで発生していた。
*青函トンネル記念館:北海道福島町にもあり、建設当時の資料や技術の歴史が展示されている(北海道松前郡福島町字三岳32-2)。
*青函トンネル竜飛斜坑線:青函トンネル工事における作業員の移動や 物資の輸送などを目的として建設されたもの。 青函トンネルにある2つの定点のうち、本州側の 竜飛定点(旧・竜飛海底駅)に通じている。冬季運休、曜日限定の運転であり事前に調べてから訪れること。
関連リンク 青函トンネル記念館(WEBサイト)
参考文献 青函トンネル記念館(WEBサイト)

2023年09月現在

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