滝瀬海岸(シラフラ)たきせかいがん(しらふら)

乙部町は渡島半島の西部の日本海に面しており、南は江差町、北は八雲町に接している。海岸線沿いに江差町から乙部町に入った直後に長さ約500m・高さ約20mの白壁の断崖がそびえ立つ滝瀬海岸がある。
 乙部町役場から南に約1.2km、1国道を右折してくぐり岩への駐車場へ。ここから南側に徒歩で500m海岸線を歩いて到達できる。また、2国道を右折してすぐ左折した先の展望台からも俯瞰できる。
 江戸時代にはシラフラと呼ばれており、 古い言葉で「白い傾斜地」という意味である。シラフラは、約500万年前に起こった火山の噴火による噴石が海底の貝や珪藻類などとともに堆積し、その後、隆起した地層といわれている。
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みどころ

高さ約20mの白い岩肌の断崖が500m続く特異な景観の海岸で、日本ばなれした特異な景観に驚かされる。くぐり岩の駐車場から海岸線を歩いていくと約15~20分で滝瀬海岸の下に出て、その白い壁が続く景観に圧倒される。海岸線は丸石と砂浜で波打ち際が迫っており、満潮になると歩けなくなるので注意が必要。崖の上の展望台は駐車場から近く、連続するシラフラの白い壁の海岸の全貌を俯瞰することができる。白い壁を見るためのおすすめ時間帯は、壁面が西に面しているため午後から夕焼け色に染まる夕方。
 くぐり岩の駐車場の北側には海に突き出た断崖に『くぐり岩』があり、人が通れる様に開けられた穴のある奇岩である。今からおよそ400年前の慶長年間にニシン漁を支えるために掘削されたものということである。
 滝瀬海岸の北側約12kmの「しびの岬公園」には鮪の岬(しびのさき)が望める。安山岩の柱状節理*で六角形の岩肌が重なった地層で、その珍しい形と岬の先の形がマグロの背に似ていることからその名がついている。
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補足情報

*柱状節理:マグマの固結冷却に伴う体積の収縮によって生じる多角形柱状の割れ目。北海道の層雲峡が典型的な形。