野付湾の打瀬舟による北海シマエビ漁のつけわんのうたせぶねによるほっかいしまえびりょう

野付湾は野付半島によって根室湾と隔てられた内湾のことを指し、三角帆の打瀬舟*1によるに北海シマエビの漁で知られる。漁期は資源保護のために6月中旬から7月末までと、10月中旬から11月までに限られている。
 水深が1~5mほどの野付湾の浅瀬はアマモ(海草)に覆われ、北海シマエビの絶好の生息地となっている。この地で打瀬舟による漁法が行われるのは、浅い海底の状況と密集したアマモをスクリューで傷つけないため、動力を潮風を受けた帆としているためである。
 北海シマエビは「海のルビー」と呼ばれ、漁期も限られるので希少価値の高いエビとして知られている。食べ方は北海シマエビが鮮度を保ちにくいため通常は塩茹でにするが、当地では、漁期に限り刺身や踊り食いも供される。
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みどころ

風を受けて、ゆらりゆらりと漂うよう打瀬舟は野付湾の夏と秋の風物詩になっている。打瀬舟の漁の様子を見るためには、漁期に尾岱沼漁港から出港するトドワラに向う観光船*2の午前便に乗船すると良いだろう。
 野付湾の北海シマエビは自然保護のため漁期が短く、打瀬舟による伝統漁法が採用されているため、希少で高級品として知られている。漁期は夏と秋の各2週間ほどだが、それぞれの時期で味と食感や特徴が異なるとされ、夏の北海シマエビはプリプリとした歯ごたえがあり、秋のものは卵を抱いているのでプチプチとした食感が特徴だという。食べ方は基本的には塩茹でにするが、プリッとした弾力のある身は絶品。
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補足情報

*1打瀬舟:風と潮流を利用した三角帆をもった小型舟のことで、これにより底曳網漁を行う。全国各地で行われている伝統的な漁法だが、尾岱沼(野付湾)では1人乗りの舟で北海シマエビ漁に使われている。
*2観光船:国道244号線から野付湾側に少し入った尾岱沼漁港から出港している。5月〜10月末まで(期間中無休)。野付半島トドワラへ行くトドワラコースを1日1便就航。就航時間などは事前の確認が必要だ。これ以外にも季節に応じ、アザラシウォッチングコース、潮干狩りコース、国後ウオッチングクルーズなどがあるが、いずれも事前の予約が必要。

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