納沙布岬のさっぷみさき

根室半島の突端、北海道最東端の岬である。珸瑶瑁(ごようまい)海峡(水道)をはさんで3.7kmの海上には貝殻島があり、島との中間1.8kmの海上には、日露間で領有に関し見解の異なる境界線が存在している。
 岬の右手には1872(明治5)年に建設された道内最古の納沙布燈台*1が立ち、左手には望郷の岬公園(四島のかけ橋*2)が広がり、その公園内には北方領土に関する資料を展示する望郷の家*3と北方館*⁴が並ぶ。北方館にある望遠鏡からは水晶島も眺められる。また、公園に隣接し、根室市北方領土資料館*5がある。
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みどころ

岬に立つと多くの人は想像以上に歯舞群島の貝殻島や水晶島、そして国後島など北方領土が間近かに見えることに驚く。あまりの近さに歴史と現実の厳しさを感じざるを得ない。岬付近にある北方領土関連施設で資料・展示を閲覧・観覧し、返還に向け理解を深めたいものだ。
 納沙布岬は北海道最東端の岬で、最も早く朝日と出合えるスポット。年間を通じもっとも早い6月の日の出は午前3時40分頃で、沖縄(那覇)よりも約2時間も早いことになる。元旦には本土最東端の初日の出(午前6時50分頃)に多くの観光客が訪れている。
2月上旬から3月下旬にかけては流氷が見られる日もある。
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補足情報

*1納沙布灯台:珸瑤瑁(ごようまい)海峡(水道)は暗礁浅瀬があり、難所として恐れられていたため、1872(明治5)年に 英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により、初代納沙布岬灯台が建設された。この灯台は六角木造で石油を光源としていた。
1930(昭和5)年に現在のコンクリート造の灯台に改築され、1998(平成10)年に無人化された。現在は全自動化されている。
*2四島のかけ橋:北方領土返還記念シンボル像。像の下には「祈りの火」が点火されている(北方館の開館時間中)。
*3北方館:望郷の岬公園内に位置し、北方領土返還要求運動の発祥の地で、北方領土問題の発生の状況や歴史的経緯を展示資料によって観覧できる。
*4望郷の家:北方館に隣接し、戦前の島民の生活関連資料や島々における街並みや住居表示を折り込んだ地図等を展示。北方領土の歴史と生活を紹介。
*5根室市北方領土資料館:戦前の北方領土の生活にスポットを当て、島での「衣・食・住」を中心とした資料を展示。