別寒辺牛湿原べかんべうししつげん

厚岸湖に流れ込む大別川の上流にある湿地。この湿原が知られるようになったのは比較的新しく、1983(昭和58)年に「厚岸観光十景」を選定したときに、選定された湿原に「別寒辺牛」という名称を冠してからである。さらに1993(平成5)年に「厚岸湖・別寒辺牛湿原」がラムサール条約の登録湿地となったことから急速に注目されるようになった。
 別寒辺牛*湿原には、当初、ヨシ、スゲの広がる低層湿原が主であったが、新しく別寒辺牛川中流域に高層湿原が確認された。湿原には別寒辺牛川ほか三つの川が流れ、それぞれに湿原が広がっており、約83km2の大きさは釧路湿原の半分にも達し、日本第2位の湿原である。「厚岸湖・別寒辺牛湿原」のラムサール条約登録湿地は52.772である。タンチョウも営巣している。
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みどころ

大別川のほとりにある厚岸水鳥観察館では、厚岸湖や湿原に飛来する四季折々の鳥やタンチョウの子育てをスクリーンでみることができる。残念ながら湿原全体を俯瞰できる展望台がなく、湿原をじっくりと観察するには、カヌー体験がおすすめ。
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補足情報

*別寒辺牛:アイヌ語でペカンペ・ウシは、「ヒシの実の多いところ」に由来するが、アイヌ資料にはこの地域にヒシの実が多かったという証言はなく、現在も多くは確認されていないので、地名の由来は謎のままである。
*湿地で見られる動植物:高層湿原には、ガンコウラン、イソツツジ、ヒメシャクナゲなどの高山植物が見られる。魚類では、イトヨ属2種、トミヨ属3種が生息し、これら5種のトゲウオ科魚類が共存しているのは、世界でも類を見ない。ヒグマの目撃例が多く、生息密度は高い。タンチョウは30つがい以上繁殖している。
関連リンク 厚岸町(WEBサイト)
参考文献 厚岸町(WEBサイト)

2024年02月現在

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