釧路市丹頂鶴自然公園くしろしたんちょうづるしぜんこうえん

釧路空港の北約3kmに位置し、絶滅の危機にあるタンチョウ*の保護育成の目的で作られた公園。敷地面積約10万m2。金網をめぐらした南北150m、東西480mの湿地に常時10数羽のタンチョウが放し飼いになっており一年中観察できる。
 その始まりは1935(昭和10)年に地元の人々による「釧路国丹頂鶴保護会」が結成されたところからスタートする。会の目的はタンチョウの密猟の防止と保護思想の普及であった。戦後、生活さえ不自由だった1946(昭和21)年に活動を再開し、1957(昭和32)年に具体的な事業として鶴公園建設計画を決定。「丹頂鶴自然公園建設期成会」を結成し、全国から寄付を募るなどの運動に取り組み、1958(昭和33)年3月に5羽のタンチョウを放鳥し、鶴公園が誕生した。
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みどころ

日本産で初めてタンチョウの人工孵化に成功した希少なタンチョウの自然公園。自然に近い環境で飼育されているため、年中いつでも観察できることが魅力。4~7月初めはヒナに会える可能性もあり、なかなか見ることのできないタンチョウの子育ての様子がほほえましい。
 屋外の公園では約360mもの直線の園路沿いにタンチョウが各つがい毎に分けられて飼育されており、仲睦まじい姿を見ることができる。ここには屋根がなく、生まれたタンチョウのヒナは自由に公園を出入りし、やがて野生に帰っていくという。また窓からタンチョウを見ながら、自由に休憩できる屋内スペースもある。
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補足情報

*タンチョウ:丹頂鶴とよく言われているが、正式にはタンチョウ。国内では、北海道東部の湿原を中心に分布しているが、越冬期はほとんどが釧路地域に集中している。全長150cm、翼開長240cmに達する日本最大級の鳥類。