然別湖しかりべつこ

大雪山国立公園の南東隅に位置する約3万年前の噴火で川がせき止められて出来た堰止湖。周囲は約13km、標高810mの高所にあり、最深部は約100mの大雪山国立公園唯一の自然湖である。火山の噴火により湖岸の出入は複雑で、北からヤンベツ川が流入し、南西からトウマベツ川が流出する。複雑な湖岸線に9つの湾を形成し、湖北には弁天島がある。 湖の東にある天望山は、その姿と湖面に映る影との形から、唇山(くちびるやま)と呼ばれ、然別湖のシンボルになっている。 周囲には氷河期から生息していると言われる、生きた化石「ナキウサギ」や、ミサゴ、オジロワシ、クマゲラ、アオサギ等の貴重な野生動物たちが生息する。湖の周囲は原生林(トドマツ、エゾマツ、ダケカンバ)が取り囲む。冬季には湖全体が完全に凍り、湖上では1月末から「しかりべつ湖コタン」と名付けられた氷による小屋やオブジェが並ぶ村(コタン)が観光用に整備される。
 1万年前の火山活動によって陸封され、この湖で独自の進化を遂げたミヤベイワナ(オショロコマの亜種)が生息する。ミヤベイワナ(すべてリリース)やニジマス・サクラマス(一人計10匹まで)の釣りは、グリーン期に2回、計50日間のみ解禁され、1日あたり50名に限定されている。また、冬季も資源調査や遊漁による魚体への影響調査を目的に釣りが解禁され、氷結した湖上に穴をあけ、そこから糸を垂らす穴釣りを楽しめる。
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みどころ

山間にひっそり佇む湖である。湖の南側の湖畔が園地整備され、ベンチ等にすわって湖面を眺めながら時間の過ぎるのを楽しむと良い。湖の周囲を囲む木々はまさに原生的である。
 湖の北側には、野営場が整備されており、キャンプを楽しんだりカヌーを漕ぎ出したりすることができる。然別湖の透明度は19.5mと、国内でもトップクラスであり、静寂の鏡面をゆっくりと滑るように漕ぎ出すという言葉が似合うところである。特に早朝に野鳥のさえずりを聞きながら静かにパドルを漕ぐ光景は、幻想的で美しい。
関連リンク SHIKAOI(鹿追町観光協会)(WEBサイト)
参考文献 SHIKAOI(鹿追町観光協会)(WEBサイト)
然別湖コタン(然別湖コタン実行委員会)(WEBサイト)

2023年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。