倶多楽湖くったらこ

登別温泉街の東3.5kmにあり、大湯沼を経て湖岸に通じている。俱多楽火山の噴火により形成されたカルデラ湖であるという説が有力という。湖の面積は4.7km2、水深148m、周囲約8kmのほぼ「まる」の形をしており、肢節量(1.01*)はカルデラ湖において全国1位である。
 また、透明度(22.0m*)は摩周湖に次いで全国第2位、水質(cOD=1.0mg*)は田沢湖、支笏湖に続いて全国第3位となっている。
 きれいな湖水にはエゾサンショウウオが生息し、養殖されたヒメマスが自然繁殖している。湖岸はエゾイタヤやシナノの木の群落、トドマツなどの針葉樹が原生し、それらに囲まれた湖はひっそりとした自然である。
 語源はアイヌ語の「クッタルシト」イタドリの群生する「虎杖浜」の湖ということと言われる。
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みどころ

水際はコンパスで円型を描いたように美しく湖畔の深い緑とあわせ神秘性を帯びている。湖に流れる沢はあっても湖から流れる川はなく透明度の高さ、水質のよさが魅力である。湖岸のひっそりした原始性、対岸の緑に包まれたカルデラ壁が美しい。
 北海道道350号線沿いにある倶多楽湖湖畔と扇型展望台から倶多楽湖を眺めることができるが、扇型展望台は周辺が保安林のため木立に囲まれて湖の一部しか望めない。俱多楽湖の円形を俯瞰するのであれば「のぼりべつクマ牧場」にある四方嶺の展望台からがよい。
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補足情報

*肢節量:丸に近い度合いのことで俱多楽湖は1.01。環境庁「第4回湖沼調査(1991(平成3)年度)」による。
*透明度:環境庁「第4回湖沼調査(1991(平成3)年度)」による。
*水質(COD):「化学的酸素要求量」(COD=Chemical Oxygen Demand)は、海水などに含まれる被酸化性物質(主として有機物)を、酸化剤を用いて一定の条件のもとで酸化するときに消費される酸化剤の量を、酸素の量に換算したもの。CODは海域及び湖沼における有機物による水質汚濁の指標となっている。倶多楽湖のCOD(1.1)は、環境省「2019(令和元年)度公共用水域水質測定結果」による。