知床のオジロワシ・オオワシしれとこのおじろわし・おおわし

オオワシは、日本で一番大きなワシといわれ、全長は約90~100cm、羽を広げた大きさは220~250cmである。全身は黒や黒褐色で、頭頂から頸部には白い斑紋があり、尾羽は白い。夏季はロシア東部で繁殖し、冬季になると越冬のためオホーツク海沿岸部にやってくる。オジロワシは全長が約70~100cm。翼開張は180~240cmと、オオワシより一回り小さい。翼の幅は広くて四角い形をしている。全身は褐色で、頭部は淡褐色や淡黄色で、尾羽は白い。
 知床は日本でも有数の越冬地であり、根室海峡側の羅臼沖にいる魚類を求めやってくるオジロワシを観察することができる。オジロワシとオオワシは、同じタカ目タカ科オジロワシ属に分類され、よく似ている。両者はともにオスよりもメスの方が大きく、体の一部が白いところも同様だが、オオワシは尾羽だけでなく、翼にも白い部分があり、オジロワシより体の白い部分が多い。また、オジロワシの薄い黄色のクチバシに対して、オオワシのクチバシは、より鮮やかな黄色やオレンジ色をしており、両者を見分けるポイントとなっている。
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みどころ

知床の海岸の沿道から観察することもできるが、2月から3月にかけて流氷の時期に、ウトロ港や羅臼港から出港する観光クルーズ船から、オジロワシが上空を悠然と飛ぶ姿や、冬の時期には流氷の上にとまり羽を休めている光景や、食事をしている姿を見ることができる。中でも、羅臼港を出発する「流氷・バードウォッチング」での、国後島から昇る朝日に流氷や空が少しずつ赤く染まっていく雄大な自然の中にいる勇壮なオオワシやオジロワシの姿は、冬の厳しい知床の自然を象徴する風景である。