羅臼岳らうすだけ

知床半島の中間部、羅臼町と斜里町の境界線上にある標高1,661mの山。特徴のあるドーム状の形状で、岩場あり雪渓ありと変化に富んでいる。高山植物*も豊富で、約200種にものぼる。
 羅臼岳から硫黄山、知床岳への連山が知床半島に連なる。
 羅臼の山の名*は「鹿や熊を捕獲、解体した後で臓腑や骨を葬った場所」という意味。
 登山ルートは国道344号線の羅臼温泉からと、斜里町側の岩尾別温泉からの2ルートあるが、前者が一般的である。
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みどころ

深田久弥は「さいはての山として、北方的風貌をおびた山として、私の記憶に深く残っている」とほめたたえている。
 登山道の頂上直下には高山植物が一面に咲く羅臼平があり、それまでのきつい登りから解放されて休憩のための別天地である。
 山頂では変化のある美しい景色が俯瞰できる。すなわち間近に国後島と太平洋が広がり、知床半島の先端方向には知床連山、南西側には羅臼湖をはじめとしてハイマツの緑に覆われた湖沼や湿原が広がっている。
 逆に羅臼岳を見るには網走あたりの海岸からがお勧めで、オホーツク海越しにどっしりした山容をきれいに望むことができるし、羅臼町の中心からは目の前に形の良い丸い山頂部の姿がそびえている。
 知床五湖からや知床岬までの航路上からみる羅臼岳、硫黄山、知床岳への連山の景観も魅力的である。
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補足情報

*高山植物:チシマクモマグサ・エゾコザクラ・ツガザクラ・エゾノチングルマ・シレトコスミレ・チシマフウロなど。7月下旬が見ごろである。
*羅臼の語源:アイヌ語でラは「動物の内臓」、ウシは「たくさんある所」。
関連リンク 知床羅臼ビジターセンター(WEBサイト)
参考文献 知床羅臼ビジターセンター(WEBサイト)
知床・羅臼町観光情報(羅臼町)(WEBサイト)
『日本百名山』深田久弥 新潮社
『北海道の山』伊藤 健次 山と渓谷社
『ヤマケイアルペンガイド 北海道の山』 伊藤 健次著 山と渓谷社

2023年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。