網走湖あばしりこ

網走市の南西部から女満別町にかけたところに位置する周囲約39kmの汽水湖。かつては海の一部だったものが、海水面の変動や漂砂などによってできた海跡湖である。網走川によってオホーツク海と結ばれ、潮の干満により流入した海水は湖の地形と比重の違いによって湖の底に沈み、上層の淡水層と下層の塩水層とは混じり合うことのない二層構造を形成している。東岸中央部から呼人半島が突出し、南岸に流れ込んだ網走川は三角州を形成し、再び湖尻からオホーツク海へと注いでいる。
 日本ローイング協会公認の1000mのコースがあり、大会や練習のために多くの選手が全国から集まる。湖内ではワカサギを養殖しており、厳冬期に凍った湖面に穴を開け、糸をたらして行うワカサギ釣りを楽しむ様子は冬場の代表的な景観である。湖畔の呼人、嘉多山、女満別にはキャンプ場があり、夏には多くの自家用車やバイクが訪れ、レクリエーションを楽しむ姿が湖畔を彩り、ひと味違った風景をつくっている。
#

みどころ

道東の玄関口である女満別空港から国道を網走市街に向かうと、呼人半島の付け根を過ぎたあたりから、視線とほぼ同じ高さに湖面が見えてくる。湖畔にはキャンプ場が整備され、バイク乗りが湖のほとりに設置した小さな1人用のテントが連なる様子は、北海道の夏を象徴しているようでもある。
 また、冬場の湖面に広がるワカサギ釣りテントが点在する姿もこの湖を象徴する景観である。こうした自然環境と、その中でレクリエーションを楽しむ人たちがあわさった清々しい景色をのんびりと眺めるのも北海道観光の醍醐味だろう。湖の東岸を登ったところにある天都山が展望地となっており、特に夕暮れ時の景色は幻想的だという。