沼ノ原ぬまのはら

北海道中央部にある大雪山系、その中央部に位置する。標高1,420m~1,460mの溶岩台地上に発達した高層湿原*で、南北約1.2km、東西約1kmの広さをもつ。別名「大雪山の奥庭」とも呼ばれ、国の天然記念物にも指定されている。
 旭川紋別自動車道上川層雲峡Icから約50kmでクチャンベツ沼ノ原登山口に到着。登山口から沼ノ原湿原までは、標準的なコースタイムで約2時間30分、下り約2時間。湿原への登りは急登だが、沼ノ原はほとんど木道が敷かれているので歩きやすく楽しい散策ができる。湿原の沼ノ原、花の五色ケ原、トムラウシ山への縦走路は人気が高い。
#

みどころ

湿地にはアカエゾマツ、ダケカンバ、ナナカマドに囲まれた、大小多くの沼が広がり、開放感がある。ナガバノモウセンゴケ*は北海道の湿地ではこことサロベツ湿原だけ見られる。ホソバノキソチドリ*、タチギボウシ、ワタスゲなどが咲き、沼ノ原最大の沼、大沼に映るトムラウシ山は雄大な光景である。
#

補足情報

*高層湿原:低温・過湿で枯死した植物が分解されず、泥炭として積み重なっている湿原をいう。高山や高緯度地方に多い。
*ナガバノモウセンゴケ:高さ10~25cmの多年草の食虫植物。夏に1cmぐらいの白い花を咲かせる。
*ホソバノキソチドリ:高さ20~40cmのラン科の多年草。花は黄色でかぶと状の花をつける。