大雪山だいせつざん・たいせつざん*

北海道の大屋根といわれる大雪山は独立峰ではなく、旭岳をはじめとしたお鉢平を囲む外輪山とそれらの南部に続くトムラウシ山までの東西約15km、南北約10kmにわたる火山群の総称であり、表大雪とも呼ばれ、大雪山国立公園の北部に位置する。
 大雪山は約100万~3万年前にかけて複数の火山活動により形成され、中でも約3万4千年前の大規模な噴火で、大量の火砕流が噴出、お鉢平と呼ばれるカルデラが形成され、そのカルデラを囲むように外輪山が形成された。最後の噴火は250年前の旭岳の水蒸気噴火とされていて、現在も噴煙を上げている。
 氷河期の遺存種といわれるナキウサギをはじめ、ヒグマ・エゾシカなどの多くの動物*が生息するほか、天然記念物の高山蝶*など、昆虫の種類も多く、高山植物の種類も非常に豊富で*、大規模な群落が多い。また、山頂から山麓へは寒地性植生の垂直分布が見られる。
 大雪山の名を広めたのは日本の山を愛した大町桂月といわれている。「北海道の山水を問はば、第一に大雪山を挙ぐべく、次に層雲峡を挙ぐべし」とほめ、世に紹介した。
 層雲峡温泉や旭岳温泉からは、黒岳と旭岳の中腹へロープウェイが架設されている。そのため、一般観光客にも容易に雄大な山岳景観を楽しむことができる。こうしたルートとは別に山塊の東側、銀泉台、大雪高原温泉からの登山道もあり、更に南下してトムラウシ山までの縦走路も延びていて様々な縦走が可能である。
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みどころ

おだやかな起伏が連続する山上地域で、真夏でも残雪が輝き、至るところハイマツ原やお花畑が広がって、広大さとやさしさを感じさせてくれる、これが大雪山の代表的な景観である。山々を縦走することにより、我が国の自然の豊かさを感じることができる代表的な山岳。
 特に旭岳や緑岳周辺からはるかかなたのトムラウシ山に続く稜線は高原状の尾根で、五色ヶ原、黄金ヶ原など見渡す限りの広々としたお花畑も数多く、一度は縦走してみたいと思わせる。
 また、原生林におおわれた山麓には、点々と温泉が湧き魅力満点である。層雲峡温泉、旭岳温泉、大雪高原温泉、愛山渓温泉、トムラウシ温泉がある。
 山麓が新緑におおわれる5月下旬から、山頂部では雪どけが始まる。その後7月上旬にかけては高山植物がいっせいに咲き競い、多数の登山者や観光客が訪れる。そして9月に入ると早々に、山頂から紅葉が始まり、9月下旬が山麓での見ごろとなる。山頂部に初雪が降るのは9月下旬であり、日本で一番早い紅葉や初冠雪などマスコミで報道されることが多い。スキーは11月中旬から可能となり、5月中旬まで滑れる。
 大雪山を実感するのであれば、旭川方面からの残雪の大雪山の雄大さと美しさ、トムラウシ山方面からのはてしなく続く大雪山の大きさが印象的である。
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補足情報

*大雪山の読み方:国土地理院では「たいせつざん」、国立公園では「だいせつざん」など2通りある。
*カルデラ:古い火山の火口が陥没してできた大きな窪地で、直経が数10km以上に及ぶものもある。
*動物:シマリス・エゾライチョウ・キタキツネ・エゾオコジョ・ホシガラス・エゾリス・エゾモモンガなど。
*高山蝶:ウスバキチョウ・アサヒヒョウモン・カラフトルリシジミ・ダイセツタカネヒカゲは天然記念物に指定されている。特にウスバキチョウは大雪とその周辺の高山帯に限って生息し、幼虫はコマクサを食べて成育する。
*高山植物:大雪山にしか見られない、ホソバウルップソウやエゾオヤマノエンドウを含め、約250種あまりが確認されている。
関連リンク 大雪山国立公園連絡協議会(WEBサイト)
参考文献 大雪山国立公園連絡協議会(WEBサイト)
大雪山国立公園連絡協議会 大雪山国立公園登山情報(WEBサイト)
『日本百名山』深田久弥 新潮社
『北海道の山と谷』「北海道の山と谷」再刊委員会 北海道撮影社
『北海道の山』伊藤 健次 山と渓谷社

2023年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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