雨竜沼湿原うりゅうぬましつげん

暑寒別連峰に囲まれた、標高850mの高原にあるスケールの大きな高層湿原*。東西約2km南北約1kmにわたる湿原には、大小100を超す池塘(ちとう)が点在し、その池塘には浮島*が浮遊して約150種類の湿原性植物がみられる。
 雨竜町市街から道道432号線を西側に26km、車で45分のところに登山口の南暑寒荘がある。その後、徒歩で標高差300m、3.5km、約2時間の登山道*を進み、湿原テラスに到達すると湿原には周回できる木道が続いている。湿原西端から 500m登った所に湿原を一望できる湿原展望台があり、さらに尾根道を約1時間半進むと南暑寒岳(1,296m)に到達。谷を隔てて、暑寒別岳が望める。
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みどころ

尾瀬に次ぐ規模の山岳高層湿原。周辺にはスゲ類を中心とする美しい湿性植物が咲き競っている。湿原まで登ると一面の湿原が目に飛び込んできて思わず息をのむ。湿原の先には南暑寒岳やその先の暑寒別岳のゆるやかな山頂部が連なって見える。
 特に6月下旬~7月上旬には湿原一面にゼンティカ(エゾカンゾウ)やワタスゲの果穂が舞い、残雪の暑寒別岳と相まって美しい。7月から8月上旬にかけてはヒオウギアヤメやタチギボウシ、トキソウをはじめとして、池塘には雨竜沼固有種ウリュウコウホネなど多種類の花が楽しめる。湿原に至る途中のペンケペタン川沿いの山道では、白竜の滝や溶岩怪石の露出層など、変化に富み美しい。
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補足情報

*高層湿原:低温、過湿で乏しい栄養でできる湿原。高山、高緯度地方に多い。
*浮島:湖岸や湖底にある植物や泥炭などの塊が分離、浮遊したもの。
*登山道:毎年10月中旬から翌年の6月中旬まで登山道の吊橋を撤去するため通行できないので注意。
関連リンク 雨竜町観光協会(WEBサイト)
参考文献 雨竜町観光協会(WEBサイト)
雨竜町(WEBサイト)
『北海道の山』伊藤 健次 山と渓谷社

2024年01月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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