函館山はこだてやま

函館山は函館市街地の最南端にあり、津軽海峡に突出している。標高334m、周囲約9km、別名臥牛*(がぎゅう)山とも呼ばれている。函館山は大古の火山活動によって生まれた山であり、周辺の陸地とトンボロ*という現象で函館山直下の陸地が作り出され陸繋島*となった。山頂からは市街と港を一望でき、両側がくびれた市街地と両脇の海の形状が特徴的である。 
 終戦までは軍の要塞地帯で一般の登山は禁止され50年間立入禁止だったため、自然環境が残され現在でも山頂部を除けば緑豊か。約600種の豊富な植物群を誇り、渡り鳥の休息地としても知られる。所々に砲台跡や要塞跡もある。
 現在はロープウェーが頻繁に往復する市内一の観光地。山頂からは市街と港を一望でき、特に夜景が有名。自動車道や登山道もあり、山頂にはレストラン・ティーラウンジ・展望ハウスを備えている。そのほか伊能忠敬*・ブラキストン*の記念碑などがある。
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みどころ

函館市内のいたるところから望むことができる。今いる場所の大体の位置や方向が函館山の存在によって分かるため、函館市のランドマーク、シンボルとなっている。函館駅から元町周辺の近距離から見るとピラミッド型の独立峰。少し離れて五稜郭や湯の川温泉から見ると長い尾根が横につながる台形に見え、臥牛山の名にふさわしい。函館山の最大の魅力は、山頂からの函館市内の夜景である(別掲「函館山の夜景」参照)。
 函館山は、松前藩の時期は全山伐採されてはげ山になっていたが、江戸時代後期に江戸幕府の直轄となり植林されたため、現在のスギ・マツの群生の林となり市民の憩いの場にもなっている。登山道も様々なルートがあり、1時間半から2時間で山頂までの気軽なハイキングが楽しめ、尾根上のルートで砲台跡や千畳敷の展望台まで続いている。
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補足情報

*臥牛(がぎゅう):牛が足をおり寝そべって休んでいる姿。また南アフリカ共和国原産のススキノキ科植物もあり、牛の寝ている様に見立てて名がついている。
*トンボロ:陸地と島とをつなぐ砂州。函館山は亀田川により運ばれた土砂で陸続きとなったと言われる。
*陸繋島:砂州によって陸地とつながった島。
*伊能忠敬:1745~1818年。江戸時代の暦学・測量の大家。上総国の生まれ、50歳のとき江戸に出て高橋至時に天文・暦学を学んだ。1800(寛政12)年のエゾ地、奥州街道を始めとして、その卓見と創意による実地の測量は全国におよび、その測量図は明治中期までの日本地図の基本となった。
*ブラキストン:1832~1891年。津軽海峡を境に動物の分布が南北で異なることを発見した英国の動物学者。この境界はブラキストン線と呼ばれている。
関連リンク はこぶら函館市公式観光サイト(函館市)(WEBサイト)
参考文献 はこぶら函館市公式観光サイト(函館市)(WEBサイト)
函館市(WEBサイト)
函館・みなみ北海道観光ガイド(一般社団法人函館国際観光コンベンション協会)(WEBサイト)
『北海道の歴史散歩』北海道高等学校日本史教育研究会 山川出版社
『るるぶ 函館』JTBパブリッシング

2023年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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