二戸市は、岩手県内陸部の北端に位置する。市域中央を北上山地の袖山を源とする馬淵川が流れ、その河岸段丘上に中心地区の福岡が立地。東は軽米町及び九戸村、南は一戸町、西は八幡平市、北は青森県三戸町、南部町、田子町に接している。
 JR東北新幹線、第三セクターIGRいわて銀河鉄道(旧、JR東北本線)、国道4号(奥州街道)が通じる。
 中世、九戸氏の拠点であった地で、1591(天正19)年の九戸政実の滅亡後は南部信直が移り住み、盛岡城へ移るまで南部氏の居館となった。檜山騒動の首謀者相馬大作(下斗米秀之進)、物理学者田中館愛橘の生地としても知られる。
 主産業は農業で、段丘面や傾斜地は畑作や果樹栽培に利用される。リンゴ、さくらんぼ、ブルーベリー等の果物栽培の他、葉タバコ、ホップ栽培が盛んで、とくに金田一地区はリンゴ産地として知られる。このほか若鶏・短角牛・三元豚の肉牛、乳牛飼育なども盛ん。また、日本一の生産量を誇る漆で作る浄法寺漆器をはじめ、折爪岳の伏流水で醸す地酒などがある。
 竪穴住居が復原されている堀野遺跡(市の史跡)、九戸城跡(国史跡)等がある。折爪岳や馬淵川の峡谷馬仙峡は県立自然公園。この他、東北最大級100万匹のヒメボタルが舞う折爪岳や、日本一の大きさの夫婦岩と言われる男神岩・女神岩が立つ馬仙峡、中腹に岩誦坊と呼ばれる湧き水が流れる稲庭岳、開山から約1300年の東北の名刹・八葉山天台寺等がある。出会った人には幸福が訪れるとされる座敷わらし伝説が残る金田一温泉は、盛岡藩主の湯治場だった。

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