室蘭市は、道南西部にあり、北東は登別市、北西は伊達市に接している。 南側は太平洋に面している。
 JR室蘭本線、道央自動車道、国道36号、37号が通じ、韓国釜山への定期コンテナ航路もある。1998年(平成10)には絵鞆半島先端の祝津町と対岸の陣屋町を結ぶ白鳥大橋が開通した。
 太平洋内浦湾(噴火湾)に突き出た絵鞆半島とその対岸部一帯にわたる工業・港湾都市。外洋側は100m前後の断崖絶壁が14 kmも連なる。北東部市境に鷲別川、北西部市境にチマイベツ川が流れる。北西寄りの風が多く、冬期間の風が強いのが特徴で、こうした自然条件を活かして市内には発電用の風車が設置されている。半島に抱かれた室蘭港は水深が大きく、半島が風波を防いで天然の良港をなしている。住宅地は人口増に伴い山地の緩傾斜や小河川の河谷に延びていったが、1965年(昭和40)以降、西方の白鳥台に大規模な団地が造成された。
 1922年(大正11)市制施行。市名はアイヌ語モルエラニ(小さな坂道の下りた所の意)の転訛とされる。1596年~1615年(慶長年間)にはすでに漁村があり、松前藩政時代は絵鞆場所として重要視された。その後、幕府直轄地となり、盛岡藩(南部藩)がここに駐屯して警備にあたり、開拓使時代の1877年(明治10)輪西屯田が置かれ、防衛の一基地となった。1872年札幌までの室蘭街道の全通で札幌への連絡港となり、1892年の北海道炭礦鉄道(現、JR室蘭本線)の開通により石炭積出し港としてその価値が高くなった。1907年(明治40)に日本製鋼所設立以降、鉄鋼都市として栄えた。第二次世界大戦中は軍需基地で戦後復興後は北海道の石油精製地の一つとなり、1965年(昭和40)には室蘭港が重要港湾の指定を受けた。
 主産業は工業で、鉄鋼を中心に石油化学製品、機械、金属の生産が多い。北部の丘陵地では酪農や野菜栽培もみられる。絵鞆半島の南岸には漁港があり、コンブ、スケトウダラ、ウニなどの漁獲がある。
 半島部には眺望のよい測量山や地球岬、マスイチ浜などの景勝地、絵鞆チャシ跡などがある。対岸の陣屋町には1855年(安政2)設置された南部藩陣屋跡(国史跡)や市立民俗資料館がある。支笏洞爺国立公園の玄関口。

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