県南西部にあり、東は日野町、南は岡山県新見市、広島県庄原市、西は島根県奥出雲町、北は南部町、島根県安来市に接する。
 JR伯備線、国道180号、183号、江府三次道路が通じる。
 日野川の最上流域に位置。日野川支流の石見川や九塚川、印賀川、小原川などが流れる。町域は標高1000m級の山岳に囲まれており、谷底平野や標高500m前後の高原に集落が点在。町域面積は県総面積の約1割にあたり、県下市町村の中で最大で、町域の約90%は山林原野、約5%は耕地となっている。中心集落の生山はJR伯備線とバス路線の結節点で奥日野の中心地である。
 1959年(昭和34)伯南町と4村が合併して成立。町名は日野郡の南端にあることに由来している。歴史は古く、高原面では縄文・弥生期遺物の出土が多い。古来たたら製鉄の中心地として知られる。日野谷奥の多里は日野街道の宿場町で鳥取藩の番所が置かれた。たたら製鉄は明治期に衰退後、クロム鉱の採掘が盛んになり、最盛期には全国生産量の3/4を占めた。
 現在は農業が中心で、米作、トマト、ダイコン、ネギ栽培、和牛飼育などが行われる。林産物の集荷が盛ん。クロム鉱も産出している。
 考古遺跡は日野川流域や石見川・九塚川流域に点在し、縄文遺跡6ヵ所、弥生遺跡7ヵ所、古墳約150基を数える。南西部の船通山、道後山は比婆道後帝釈国定公園の一部。船通山は『古事記』の八岐大蛇神話の伝承地として知られ、山頂には天叢雲剣出顕之地の碑や神木のイチイの巨木(国指定天然記念物)がある。中心集落の生山付近は奥日野県立自然公園に属している。下阿毘縁神社の大シダレザクラ、解脱寺のモミ並木、上石見のオハツキタイコイチョウ、楽楽福神社社叢などがある。他に、上流にオオサンショウウオの生息する石霞渓や、菅沢ダムなどの景勝地もある。

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