北栄町
印刷する県中北部に位置し、東は湯梨浜町、南は倉吉市、西は琴浦町に接し、北は日本海に面する。
JR山陰本線、国道9号が沿岸部を東西に走り、国道313号線が通じる。
天神川河口西岸に位置。南部大山の火山灰土に覆われた丘陵地、倉吉平野に属する旧潟湖の埋積平野(北条平野)、北条砂丘からなる。
2005年(平成17)北条町と大栄町が合併して成立。中心集落の由良は江戸時代に鳥取藩の米倉が置かれた地で伯耆街道沿いの宿場町、由良川河口の港町として古くから発展。一帯の商業の中核として栄えた。由良川河口には幕末につくられた反射炉と砲台の跡が残る。
県下有数の農業地帯であり、低湿地では米作、山麓では二十世紀梨栽培、日本海沿岸に広がる北条砂丘地では揚水灌漑によるナガイモ、ラッキョウ、ブドウ、葉タバコ、アスパラガスなどが生産される。また、南部の大山東麓の丘陵地帯では大栄スイカなどが生産される。国道沿いには缶詰、繊維関係の工場が進出している。
かつては潟湖だったといわれる北条島地区の島遺跡では県下で数少ない貝塚が発見されたほか、鹿・鳥・人物・家などの形象埴輪が出土した土下古墳群、幕末に瀬戸村の大庄屋武信家が鋳鉄製の大砲をつくるために建設した六尾の反射炉跡、この大砲を備え付けるため築造された鳥取藩の由良台場跡(国指定史跡)などの歴史遺産や、45体の仏像のうち2体が重要文化財に指定されている東高尾の観音寺などがある。北栄みらい伝承館(北条歴史民俗資料館)では江戸後期から本格的に始まった砂丘開拓のあゆみを知ることができる。大正期に桑苗農具市として始まった「ゆら市」はフリーマーケットやイベント等の場として現在もおこなわれている。ほかに、西日本最古のワイナリーである「北条ワイン醸造所」が当地産のブドウでつくる北条ワインは有名。