八頭町
印刷する県東部にあり、東は若桜町、南は智頭町、北から西は鳥取市に接する。
JR因美線、若桜鉄道、国道 29号、482号が通じる。
千代川の支流である八東川と私都川の流域に広がっており、鳥取平野の南端に位置する。八東川の段丘上に集落、耕地が展開している。北東端には氷ノ山後山那岐山国定公園の一角を占める扇ノ山がそびえる。郡家は郡行政の中心であり、政府出先機関などがある。
2005年(平成17)3町が合併して成立。古くから開けた地域で、古墳群や条里制遺構がみられる。西部の船岡は江戸時代に池田藩の家老乾氏の陣屋が置かれ、高瀬舟水運の起点でもあり物資の集散地として栄えたほか、明治期には牛馬市がたちにぎわった。中西部の安井宿は若桜街道の宿場町として繁栄した。北東部の姫路は平家の落人の伝説をもつ。
農林業を主とし、米、花御所柿、二十世紀梨、りんご、ダイコン、きのこ類、花卉などを栽培。山地では木材を産する。近年は電機工業やその関連工業も進出している。山林開発も行われており、細見谷の柞原は扇ノ山国有林林道の起点。江戸時代に池田藩の奨励で発達した久能寺(因久山)を窯元とする因久山焼が伝統工芸で、茶器、花器が生産される。
青龍寺が蔵する木造持国天立像、木造多聞天立像や、県下最古級の民家で江戸時代に大庄屋を勤めた矢部家住宅(17世紀初期)が国指定重要文化財に指定されている。また、白鳳時代の建立と考えられる土師百井廃寺(国指定史跡)がある。沢神社の麒麟獅子舞は県指定無形民俗文化財。北西部の霊石山はハイキングの好適地。町域北東端の扇ノ山一帯は氷ノ山後山那岐山国定公園に含まれる。