矢祭町
印刷する矢祭町は、福島県の最南端に位置する。北は塙町、南東部は茨城県常陸太田市、南西部は茨城県大子町、西は棚倉町に接する。
JR水郡線、国道118号線が通じる。
久慈川上流部の山地を占める。東を阿武隈高地、西を八溝山地で、ここから発する支流は一級河川久慈川へと合流し、太平洋へ注ぐ。久慈川に沿ってわずかに平地が開け、中心集落は久慈川に沿った東舘。東の高台に中世の館跡がある。
1963年(昭和38)町制施行。戦国時代には常陸国北部を本拠地とした佐竹氏の領土で、この佐竹氏の統治下に付けられた地名として中心部の「東舘」がある。東舘は、白河の結城氏の力で廃城となったが、その後、佐竹氏が前線拠点や補給線として活用していた。江戸時代には棚倉藩になり、1729年(享保14年)には江戸幕府直轄地(天領)に代わり、1868年(明治元年)の戊辰戦争終結まで塙代官所の統治下に入れられた。
米、コンニャク、木材を産し、花卉の栽培も行う。また、ゆずを特産する。
矢祭山、久慈川渓谷、滝川渓谷等の景勝地の他、戸津辺の桜、久慈川のアユ釣りも有名。