川内村は、県浜通り地方中部に位置し、北は大熊町、東は富岡町、楢葉町、南はいわき市、北から西は田村市に接する。
 国道399号が通じる。
 北から南には雄大な阿武隈山地の山々が連なっており、阿武隈高地の最高峰「大滝根山」の東斜面にあたる。阿武隈高地の農山村で、村域の約87%が山林。最も高い山は大滝根山で頂上に航空自衛隊のレーダーサイトがある。村の中央を木戸川が流れ、大四郎川、楢生川、滑津川等が合流する。
 1889年(明治22)上川内村と下川内村が合併して誕生。歴史は古く、村内のいたるところから縄文土器の破片や石斧などが発見されている。鎌倉時代に源頼朝が奥州平泉の藤原氏を討ったのち、浜街道が岩城氏の所領となった。1747年(永享4)以後は幕府直轄地となり、会津領から棚倉領へと領主は変遷した。
 かつては林業が栄えたが現在は縮少し、シイタケや山菜の栽培が行われる。木戸川沿岸では農耕が行われ、近年は畜産、稲作が盛ん。ほかに高原野菜、ソバにも力を入れている。チップ、機械、縫製などの工場も立地する。
 国指定天然記念物に平伏沼モリアオガエル繁殖地があり、西部の大滝根山(1192m)は阿武隈高原中部県立自然公園の一部をなす。この他、いわなの生息地である千翁川、坂上田村麻呂の伝説が残る「林の大杉」や村の名勝地である不動滝、川内の獅子舞(県指定重要無形民俗文化財)、名誉村民の詩人草野心平が寄贈した蔵書からなる天山文庫や、古民芸品などを展示した阿武隈民芸館、いわなの郷体験交流館、かわうち温泉等がある。毎年7月には天山祭りがおこなわれる。

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