加賀市は、石川県南西端に位置する。大聖寺川、動橋川の下流域の低湿地を占め、柴山潟を抱き、日本海に面している。東には霊峰白山を仰ぎ、南には大日山をはじめとする山々が連なる。東は小松市と接し、北は日本海に面する。南から西にかけては福井県勝山市、坂井市、あわら市と接する。
 JR北陸本線、国道8号、305号、364号、北陸自動車道が通じる。小松空港に隣接する。
 1639(寛永16)年、前田利常の第3子利治が大聖寺に入ってから明治維新に至る230年間、10万石の城下町として栄えた。また、塩屋、瀬越、橋立には北前船の海商が多数輩出し、明治中期まで大阪・北海道間の交易により栄えた。
 江戸時代から絹織物の産地で、山代の九谷焼はいまも続く。現在は合成繊維織物、チェーン、スポークなど自転車部品工業が発達している。
 江沼神社の裏手に国指定重要文化財の長流亭がある。山田町の中央公園には国指定重要有形民俗文化財の白山麓山村の民家と山村生産用具がある。海岸は越前加賀海岸国定公園に属する。2月10日の竹割祭(菅生石部神社)は有名。また、大聖寺の北西約4kmのところにある片野鴨池は、1993(平成5)年、ラムサール条約登録湿地となった。加賀温泉郷に属す山代温泉、片山津温泉、山中温泉もある。

観光資源一覧

片野鴨池の坂網猟の写真

片野鴨池の坂網猟 (石川県 加賀市 )

加賀市街の北西部にある「片野鴨池」は、日本海に面した約10万m2の自然の池で、周囲は水田と山林が混在する丘陵に囲まれている。シベリアから飛来する渡り鳥の越冬地として知られる。とくにカモ類は、マガモを始め、全国的に個体数の少ないトモエガモは全国で越冬する中の約半数が鴨池に飛来する。この池の鴨を捕える古式猟法が「...

山中温泉の写真

写真提供:(一社)山中温泉観光協会

山中温泉 (石川県 加賀市 )

山中温泉は、大聖寺川の渓流に臨み、東からは東山が、西からは水無山・薬師山が迫り、四方がほとんど山に囲まれた文字どおり山中の湯の町である。温泉の歴史は古く、医王寺に伝わる「山中温泉縁起絵巻」には、天平年間(729~718年)1300年前に僧行基*によって温泉が発見されたと記されている。平安末期に湯宿が設けられたと言われている。...

山代温泉の写真

写真提供:山代温泉観光協会

山代温泉 (石川県 加賀市 )

山代温泉は、加賀平野の南のはずれ、薬師山をはさんで山中温泉と背中あわせの地にある。725(神亀2)年に行基が開湯したという伝承があり、その後、10世紀後半(985~988年)に花山法皇が明覚上人を従えて北陸巡歴*のおり、この温泉に入浴、その効が優れているとして温泉寺を中興、七堂伽藍を建立したとされている。再興したと伝えられてい...

加賀東谷の町並みの写真

加賀東谷の町並み (石川県 加賀市 )

加賀市南部の山間部は、近世には大聖寺藩の奥山方に属し、藩の御用炭を生産しており、近代から昭和前期にかけても大半の集落が炭焼きを主産業としていた。昭和30年代以降、ダム建設や、災害、離村などにより失われた集落があるなかで、大日山を源とする動橋(いぶりはし)川と杉ノ水川の上流域に点在する荒谷(あらたに)、今立(いまだち)...

橋立町の船板住宅群の写真

橋立町の船板住宅群 (石川県 加賀市 )

石川県南西部に位置し、JR北陸本線加賀温泉駅から北西へ約5km。橋立は、かつて北前船の船主や船頭、船乗りなどが多く住んでいたまちで、日本でも1、2を競う富豪村と呼ばれていた。北前船とは、大坂と蝦夷地(北海道)を結び、瀬戸内海と日本海の各港に寄港して積荷を売買する商売をしてまわった買積船で、近世後半から明治期にかけて盛んに活...