大府市
印刷する大府市は県南西部にあり、東は刈谷市、南は東浦町、西は東海市、北は名古屋市、豊明市と接する。
JR東海道本線が通じ、武豊線を分岐する。国道23号、155号、366号のほか西部を南北方向に知多半島道路も走り、北西端、東海市にまたがって伊勢湾岸自動車道大府インターチェンジがある。
愛知県のほぼ中央部、知多半島の根幹部に位置。なだらかな丘陵地が広がっており、丘陵地の標高は 概ね20~50m、平地部では10~20m前後となっている。低地には小河川が流れて水田・工場地帯をなし、丘陵は畑、住宅地となっている。主要河川は二級河川境川、石ヶ瀬川、鞍流瀬川が北西部から南東部に向けて流れるほか、皆瀬川、明神川、砂川、五ケ村川が流れており、五ケ村川以外はすべて境川に合流して衣浦湾に注いでいる。また、60を超える大小のため池がある。名古屋市の南東部に隣接して位置しており、市の東部は三河と接しており、名古屋・三河・知多の結節点になっている。
1970年(昭和45)市制施行。地名は、古くは「大夫」、近世は「大符」といい伊勢神宮の神符に関係があるといわれる。知多半島を構成する尾張丘陵は緩やかな起伏で、早くから酪農、果樹の産地だった。
第二次世界大戦後はタマネギ、キャベツなどの野菜やブドウ栽培が盛んで、ブドウの観光農園もある。丘陵地は名古屋市東郊のベッドタウンとして宅地化が進んでいる。工業は自動車関連工場が多い。
サクラの名所桃山公園、藤井神社蔵の「藤井宮御酒瓶子」、延命寺の刺繍普賢菩薩像、円通寺の木造毘沙門天立像(ともに県指定文化財)の文化財があるほか、長草天神社のどぶろく祭りには、一般参詣者にどぶろくをふるまう風習がある。丘陵地の外縁には縄文貝塚があり、惣作遺跡からは製塩に関する土器が出土している。