釜石市は、岩手県南東部に位置する。市の西部には五葉山などの1,000m 以上の急峻な山々がみられ、海岸部はリアス式海岸の特徴的な自然環境をみせ、大槌湾、両石湾、釜石湾、唐丹湾が深く入り込み、天然の良港を形成している。北は大槌町、南は大船渡市、西は遠野市、住田町と接し、東は太平洋に面している。
 JR釜石線、三陸鉄道リアス線が走る。国道は45号、283号が通じる他、東北横断自動車道釜石秋田線及び三陸縦貫自動車道の結節点として位置付けられている。
 1727(享保12)年磁鉄鉱を発見、1857(安政4)年に盛岡藩士大島高任が日本で初めて近代製鉄法による鉱石精錬に成功。1874(明治7)年に官営の製鉄所が鈴子(現、日本製鉄釜石製鉄所所在地)に設けられ、急速に近代製鉄都市に発展。これを機に日本の産業の近代化が進み、「近代製鉄発祥の地」として知られる。 また、リアス式の海岸線による天然の良港と黒潮と親潮が交わる豊かな漁場である三陸沖を有し、水産業も盛んであったことから、「鉄と魚のまち」として発展してきた。
 東部の海岸一帯は三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)の景勝地で、根浜海岸、オオミズナギドリやヒメクロウミツバメの繁殖地(国指定天然記念物)である三貫島、尾崎神社の海上渡御が行われる尾崎半島などがある。この他、高さ48.5mの釜石大観音、江戸末期に築造された橋野鉄鉱山・高炉跡(「橋野高炉跡」として国史跡に指定)などがある。なお、橋野鉄鉱山・高炉跡は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として、2015(平成27)年にユネスコの世界文化遺産に登録された。

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