洋野町は、岩手県沿岸最北端の町。町域の約7割を山林が占める。北西部に階上岳と久慈平岳があり、この両頂から東西に緩やかに傾斜する丘陵地形が全域に広がりを見せる。北は青森県階上町、南は久慈市、西は軽米町に接し、東は太平洋に面する。海岸部をJR八戸線、国道45号が走り、南部を国道395号が横断。
 縄文時代の各遺跡から数多くの土器・石器片等が発見されており、歴史は古い。古くから馬産地として知られ、江戸時代の1664(寛文4)年に八戸藩が創設されて八戸藩領となった。
 内陸高原部では肉牛、ブロイラー、乳製品などの畜産・酪農が盛んで、シイタケ、ホウレンソウなどの蔬菜栽培も行う。地元の山林資源を素材とした木工品「大野木工」も評価が高い。沿岸部は漁業が中心で、ウニ、ホヤ、アワビなどが特産。なお、シイタケとウニは県内一の生産量を誇る。潜水業界にその名が聞こえた「南部もぐり」は100年の伝統を誇る。種市高校の海洋開発科は全国の高校では唯一、潜水と土木の基礎的知識と技術が学べる学科で、卒業生は本四架橋、関西新国際空港などの港湾土木や沈没船の引き上げなど、国内外で活躍している。
 キャンプや海水浴ができる種市海浜公園があり、周辺には窓岩や種市層カキ化石産地がある。久慈平岳中腹には大和の丘森林公園がある。国道395号沿いにある「おおのキャンパス」は、道の駅、産業デザインセンター、各種工房、町営牧場、スポーツ施設など多数の施設が集まり、特産品や地場産業の開発、人材育成など、地域の活性化を図る拠点施設となっている。

観光資源一覧

いちご煮の写真

写真提供:青森県及び公益社団法人青森県観光国際交流機構

いちご煮 (青森県 八戸市 / 青森県 階上町 / 岩手県 洋野町 / 岩手県 久慈市 )

いちご煮はウニやアワビの漁場である八戸沿岸で漁師たちの浜料理として生まれた、ウニとアワビの吸い物である。大正時代には料亭で、お椀にきれいに盛り付けてお吸い物として提供されるようになり、現在では、ハレの席には欠かせない地域を代表する郷土料理になっている。乳白色のスープに浮かぶウニが「朝もやの中に霞む野いちご」のように...

旧南部領のナニャドヤラの写真

写真提供:ひろのイベント事業実行委員会

旧南部領のナニャドヤラ (岩手県 洋野町 )

ナニャドヤラは旧南部領一帯、岩手県内では二戸郡、九戸郡、岩手郡などに伝わる盆踊りの唄。平時においても、野山や畑での作業の場で唄われてきた。地域によって「ニャニャトヤラ」あるいは「ナギャトヤラ」とも発音されるが、起源や由来、意味について確かなことはわかっておらず、研究者たちによってさまざまな説が提唱されている。  盆...