久慈市は、岩手県北東部に位置する。太平洋に面した海岸段丘が連なり、西側は遠島山などの山嶺を有する北上高地の北端部にあたる。北に軽米町、洋野町、南に野田村、岩泉町、西に葛巻町、九戸村に接する。
 JR八戸線、三陸鉄道リアス線、国道45号、281号、395号が通じ、八戸久慈自動車道の久慈、久慈北の各インターチェンジがある。
 江戸時代は砂鉄、金、海産物の産地として知られた。また、南部九牧の一つがあり、馬産地でもあった。
 久慈港は漁港、工業港として機能し、サバやサワラ、スルメイカなどが水揚げされる。
海岸一帯は三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)に含まれ、小袖には海女集落があり、「北限の海女」として知られる。久慈渓流は久慈平庭県立自然公園の一部で、白樺やレンゲツツジが群生している。長泉寺の大イチョウは国指定天然記念物。伝統工芸では「小久慈焼」、国内最大の産出を誇る「琥珀」などがある。この他、9月に行われる「久慈秋まつり」は1360(正平15(南朝)/延文5(北朝))年代から行われている伝統誇る岩手県北最大級のまつりと言われている。

観光資源一覧

いちご煮の写真

写真提供:青森県及び公益社団法人青森県観光国際交流機構

いちご煮 (青森県 八戸市 / 青森県 階上町 / 岩手県 洋野町 / 岩手県 久慈市 )

いちご煮はウニやアワビの漁場である八戸沿岸で漁師たちの浜料理として生まれた、ウニとアワビの吸い物である。大正時代には料亭で、お椀にきれいに盛り付けてお吸い物として提供されるようになり、現在では、ハレの席には欠かせない地域を代表する郷土料理になっている。乳白色のスープに浮かぶウニが「朝もやの中に霞む野いちご」のように...

三陸鉄道の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

三陸鉄道 (岩手県 宮古市 / 岩手県 久慈市 / 岩手県 大船渡市 )

岩手県の三陸海岸を縦貫する鉄道路線(リアス線)および、第三セクター方式の鉄道会社。通称は三鉄(さんてつ)。  1896(明治29)年の三陸地震の際に急峻な地形が支援物資の輸送を阻んだことから三陸沿岸を結ぶ鉄道が構想され、復興策として建設された。1928(昭和3)年11月22日に仙台~石巻間(宮城電気鉄道、現在の仙石線)が開通し、19...

平庭高原の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

平庭高原 (岩手県 久慈市 / 岩手県 葛巻町 )

JR八戸線、三陸鉄道リアス線の八戸駅から西南西へ約26km、久慈渓流の上流、久慈市と葛巻町の境界にある平庭岳の中腹に広がる高原で、久慈・平庭県立自然公園の一環をなしている。標高800m。  国道281号線の両側4.5km、面積にして369万m2の範囲に約31万本もの白樺が林立しており、日本一の白樺美林といわれる。  レンゲツツジ...

久慈渓流の写真

写真提供:久慈市

久慈渓流 (岩手県 久慈市 )

久慈市南西部の明神岳に源を発する久慈川の上流に位置する渓流。中でも板状の石灰岩が垂直に切り立ち鏡のように平らになった鏡岩の付近約5kmには、浸食よって形成された石灰岩の絶壁、不老泉、白糸ノ滝などの景勝が続く。  鏡岩を臨む鏡岩園地にある名水の不老泉には、飲用すると持病が治り不老長寿になるという言い伝えがある。また周辺に...

内間木洞の氷筍の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

内間木洞の氷筍 (岩手県 久慈市 )

内間木洞は久慈市南端部、内間木川上流の山間にある鍾乳洞で、JR久慈駅、三陸鉄道久慈駅より車で約45分の場所にある。  総延長が6,350m以上にも及ぶ、国内でも有数の鍾乳洞である。特に冬場は、洞内の天井から落ちる水滴が地面で凍りつき、筍(たけのこ)状に成長する氷筍(ひょうじゅん)が群生することで名高い。氷筍は、大きなものでは2...

久慈の平庭闘牛の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

久慈の平庭闘牛 (岩手県 久慈市 )

久慈市と葛巻町との境にある平庭高原の闘牛場で毎年4場所*開催されている東北唯一の闘牛。  久慈地域では古くから、主に農耕用や荷物を運ぶ役牛として短角種*の祖先である南部牛が飼育されてきた。江戸時代には南隣の野田村で製塩された塩を盛岡方面へ運ぶ役目を担い、その際に引率する牛のワガサを角突きによって決めたことが、闘牛の始...