山元町
印刷する山元町は、県南東端に位置する。北は亘理町、南は福島県新地町、西は角田市、丸森町に接し、東は太平洋(仙台湾)に面する。
JR常磐(じょうばん)線、国道6号が通じる。
西に阿武隈山地の山並みが聳え、東は直線的な砂丘海岸、中部には広大な田園地帯を抱えており、阿武隈山地から太平洋まで西高東低の均一的な地形が連続しているのが特徴である。戸花川、坂本川が流れるほか、鷲足川、新田川が高瀬川に合流し、いずれも太平洋に注ぐ。
1955年(昭和30)山下、坂元の2村が合併して成立。中世は豪族亘理氏が支配し、中世末に浜通りの相馬氏と伊達氏の抗争に巻き込まれた。近世は仙台藩の重臣大条氏が坂元に居住した。1646年(正保3)外国船監視のための唐船番所が設置された。
稲作のほかにイチゴ、リンゴ、蔬菜栽培も行われる。漁業では、ホッキ漁が盛んで、ホッキ貝は特産品となっている。いちじくやシャインマスカット、復興芝生が新たな特産品として注目されている。また、弱電や自動車部品工場も進出。
山頂から蔵王や金華山まで360度のパノラマを楽しめる四方山や、藩政時 代に異国船を監視していた唐船番所のある磯崎山公園があるほか、大規模なイベントが開催できる芝生広場やステージを完備した「つばめの杜中央公園」と「山元町こどもセンター」が一体的に整備されている。町内では桜の名所である坂本神社で春祭りが開催されるほか、仙南の三大祭りに数えられる勇壮な「八重垣神社(お天王 さま)の夏祭り」、伝統芸能の青巣稲荷神社や深山神社の神楽、當護稲荷神社の大神楽、笠野甚句、坂元おけさがおこなわれる。農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」では、特産品や地場産の新鮮な野菜・魚介類、加工品販売にくわえて、イチゴの旬の時季にはいちご狩りもおこなっている。特産のホッキ貝をふんだんに使った炊き込みご飯「ほっき飯」は郷土料理として知られる。